第37話ークマモ奪還から先への展望
しーまてん!!少し更新遅れてます!
土属性以外の三種に秀でていたヒーコは、2年の月日のうちに特に火属性に特化して成長を遂げた。
炎帝の2つ名を冠して雷帝、氷帝、賢者の3人には及ばずとも他に追従を許さぬ技量を身につけていた。
ガサキとサーガの攻略と同時期には、以前より包囲していた南地第2の都市クマモに在る、不落を誇ったクマモ城に人族の精鋭たちが馳せ参じていた。
元はシュリのギルド本部マスターであったアキを総指揮に、副長ハト、リューや従魔騎兵隊長ホーク・ダン、その副長メイリン、回復支援小隊にヒーゲソウル、火力担当はヒーコが隊長を務める大魔導士隊が、副長3人とその小隊を除いて全て参戦した。
クマモに巣食っていた魔族軍は早々と人族と、体制を整え直した獣人族の同盟軍により蹴散らされたのだが、指揮官であった四天王ゴンとその本隊が到着してからは、少なからずの反撃を許した。
しかし勢いに乗った同盟軍の攻勢により、連日の敗戦の苦渋を舐めたゴン軍はたちどころにクマモ城へと籠城したのであった。
呼べども待てどもハカータに布陣するスイスイと、中地にて魔族全てを統括し、北地の竜族に睨みをきかせる魔王リオ・リーオからの援軍は来なかった。
1週間を超えた籠城戦は立て籠もる魔族軍、四天王ゴンとその指揮下全てに色濃く疲労を植え付けた。
(あれほど圧倒した獣人族どもですら生気に満ち溢れて再び堂々と戦っておる…。どうやらヴェップが落ちたとの報告もまんざら嘘でもなかったのか…。)
1年半以上も勝利し続けた魔族軍は確かに強かったが、時の運とも呼べる時勢に叶った側面や、数的優位による豊かな選択肢によって獣人族側勢力を寄せ付けなかったのだ。
同じ四天王のシビが討たれたとの一報も、ミヤザ砦の陥落も、ヴェップ陥落も、にわかには信じられなかった。確かめるべく自らクマモへと自軍本隊を伴って馳せ参じたゴンであった。
「持久戦になればこちらに利がある。地の利もある、数も圧倒している…。だが、これ以上時間を浪費する訳にはいかない!」
総指揮を執るアキが不落と言われるクマモ城の攻略を急ぐのには理由があったのだ。
ガサキとサーガ、そしてクマモを陥とす事により、南地に残る魔族軍は四天王スイスイが陣取るハカータのみとなる。
そしてスイスイこそは先代獣王の憎き仇なのだ。
(獣人族からすると)
3箇所全てを攻略してハカータを孤立させ、人族も獣人族双方の同盟軍の大半総力を挙げてハカータを確実に波状攻撃する事を考えたのだ。
「ホーク・ダン率いる重装歩兵隊を筆頭に我が騎兵隊が続き、後方よりヒーゲソウルの回復支援、展開次第にてヒーコの大魔導士隊の投入だ!」
アキが段取りを指揮する。
「なお、獣王エンピ・イーロ様率いる同盟軍は場内に侵入出来てからの援軍となる手はずだ!これ以上の籠城を許す時間的猶予は無いと思ってくれ!」
クマモ攻略の全軍をアキが叱咤鼓舞する。
「ヨーテモ王ほどではないけど、私も魔法障壁の少数展開ならいけるから!先陣のホーク達が倒れたら元も子もないわ!」
ヒーコも格段に魔法達者になってくれた。
「高位身体強化は先陣の方々に絞ってかけさせていただきますよ!」
ヒーゲソウルの回復支援小隊の士気も高い。
「要地防衛だけでなく攻城にも、機動力こそない我々が適任として活躍する事を約束しよう!」
ホーク・ダンが胸を叩いて鼻息荒く声をあげた。
「聖職者適性持ちのわたすは光属性さ纏って戦えっがら、最前線で愛刀白樺さぶん回すべさー!」
メイリンの大刀は勿論ハト銘である。名を白樺と言うらしい…。
「それ、一品モノだから…大事にね…。」
ハトはいちいち打った武防具にも愛着を持つ。
「聖騎士の名に賭けて!」
大きな怪我なく勝って戻ると言いたそうなリュー。
「国王直下の名に恥じぬ働きを期待している。」
アキが突撃を支持すると先陣の重武装歩兵隊を皮切りに人族の波がクマモ城の閉ざされた城門へと押し寄せたのであった。
ガサキやサーガと比べてクマモ城の魔族はよく纏まっており、士気も高く連携もとれていた。
四天王ゴンが指揮官として有能であった事が伺えた。
しかし数にも質にも士気にも勝る人族と獣人族の精鋭集まりし同盟軍の前に、2日ともたずに陥落した。
ゴンの首を獲ったのはリューだった。
クマモ攻略の報は遠隔念話を通じて即座に国王直下に伝えられ、先にハカータへ進軍した第1陣が四天王スイスイの本隊と対峙した1日後の事であった。
ガサキとサーガが2話かけたのに…規模の大きなクマモを1話に纏めるとか!横暴だわ!(担当演者一同




