第25話ーワコクの現在
ゼロからではなくとも文化の再構築には多大な時間と労力を伴うものですよね!
2年だって一瞬です!
2年もの時は「ワコク」世界の情勢を変化させるには十分だった。当初の予定ではヨーテモは1年と待たずに南地を統べる獣人族領域に潜入し、コンタクトを取るつもりであったのだから。
最南地の人族社会は飛躍的な発展を遂げ、総人口は右肩上がりに増え、それに伴う様に四葉王国の軍備や国力は著しく拡充された。
当代魔王のリオ・リーオは200年前の世界大戦前から代替わりした王であり、他の竜王、精霊王、獣王よりも早く人族への攻勢に撃って出た程の、いわゆる人族嫌いは世界に知られるところである。
寿命の短い人族とは違い、他の種族王たちもまた、大戦前から一族の王に座したるいずれも猛者ばかりであった。
1年半前ほどから魔族は隣接する東地の精霊族と、南地の獣人族それぞれの領土への侵攻を開始していた。四葉王国が建国されて半年の頃だ。
当然ヨーテモの耳には御庭番衆より定期的な世界情勢が伝えられており、末端レベルでの情報交換が成されるまでの信頼回復には至っていた。
ヨーテモは獣人族領域である南地へ侵攻するつもりは毛頭なく、精霊族と獣人族側からの救援要請と、それに伴う国交正常化交渉の時を我慢して待ったのだ。
そして四葉王国の建国より2年の時が過ぎる少し前に、魔王リオ・リーオ配下が四天王スイスイにより、当代獣王エンピ・アーカが討たれたとの一報が世界全土にもたらされた。
永きに渡って下等種族扱いを受け、隷属かのように冷遇された過去は、200年を過ぎてもなお根深い因果として残っていた。
それが為に魔族の猛攻により領土を半分以下にまで減らした獣人族と精霊族は、今なお人族への救援要請に踏み切れていなかったのではあったが、勇猛にして名君と知られた獣王エンピ・アーカの訃報は、獣人族の士気を下げると共に魔族の猛攻に拍車をかけたのであった。
代替わりを受けたエンピ・アーカの第1皇子エンピ・イーロは、妹であるエンピ・アーオを使者として遣わした。新代獣王の妹が使者として聖地ガジュマルにて人族勢力への救援要請が正式に請われる事となり、王都シュリで待つヨーテモへ一報を届ける事になる。
「事は一刻を争う!ナギ、チョス、ツキジ、クロラ、ヒーコは転移魔法を使って軍をピストン輸送してくれ!第1陣はホーク・ダン、フル・チョー、ゲンパチが。それぞれ副官としてメイリン、アリ、ルカを連れて行け!総指揮はコアに仰ぐように!回復役小隊はカズキに預ける。転移魔法の5人は第1陣の後詰で良い!」
「第2陣はハト、リュー、リン、アキだ。第2陣の転送は俺がやろう。俺が出陣するからには当然リョージとフーセンも御庭番衆を率いて付いて来い!密偵に従事する者はそのままで良い。こちらの回復役小隊はセチャーンとする!」
(ヤマト!副官のシュンと2人だけで来い。これまでは魔獣のアンデッドばかりだったが…戦争なら人型も多くお前たちの麾下に入るであろう。)
これは倫理的な観点から個人念話にて伝えた。
かくして人族は200年を超えた仮初めの安寧より外界に討って出る事を選ぶのであった…。
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そういや令和1発目です!




