15話ーシュリの街へ入る
剣鬼コア…筋骨隆々です!
実年齢よりも老けて見えます!
貫禄ありすぎなんじゃね?
コアは慌てて大剣を翻そうと試みたが、短剣を持たないもう片方の左手1つで、刃先を掴むと、それは微塵も動かせなかった。
一般を遥かに凌駕する経験値を有するコアは、直ぐに大剣から手を離し、跳びのき様にやや後ろに距離を取り、即座に魔法による二次攻撃に転じようと、詠唱を開始する素振りが見てとれた。
「兄さん程ならわかるだろう、通用する相手じゃない、そもそも俺たちは敵じゃない、これは最後の警告だ、悪い事は言わない、焦燥感に駆られて判断を誤らないで欲しい。」ヨーテモは諭す様に語りかけた。
「「我が主人に仇なす者…」」ミコトが身構えそうな気配を放とうとする前に、ヨーテモは掴んだコアの大剣を地に落とし、ミコトの動きを牽制して踏み止まらせた。
「一体全体何だってんだ…こんな夜分に…お前らは…人族…なのか?」コアの額は堪え切れない汗でぐっしょりしていた。
「どっからどう見ても!人族以外に何に見えんだよ!オッサン‼︎」ナギの琴線に触れたのだろう、師であり、兄であり、親でもあるヨーテモに刃を向けたのだから。
「ヨーさん、こんな奴、俺らだけで勝てますよ?」チョスは既に両手に短剣を備えて身構える。
「少し静かにしてくれ、みんな。」両手を広げて皆へ自制を促し、なんでもないとばかりに、ヨーテモは優しく笑顔で振り返る。仲間の半数は臨戦態勢へと移行していた。
(格上2人を抜きにしても…他の人影が放つ気配ですら…2人と相手するのが限界か…)コアの分析は正しい。恐らくギルド登録済の年長組であれば、2人でかかれば互角以上、3人ともなれば、コアに勝ち目のない程に、その強さは匹敵していたのだ。
「俺の名前はヨーテモ。人族だ。シュリには何度かギルド本部に来た事がある。勿論その時は気配は隠蔽してはいたがね。」ヨーテモは武器をしまって、警戒するコアへと、握手を求めて歩み寄る。
「…コアだ。言いたい事も、聞きたい事も山ほどある…。だが、先ずは非礼を詫びよう。すまない。」コアはヨーテモの右手を手に取り、不安を隠して握手に応じた。
「1人を除いて、全員が人族だ。俺が最年長なので、みんな成人前の年端もいかない若い子供達だ。」ヨーテモはコアを安心させようと、手短に簡素な説明をする。
(…未成年の子供らが…こんな…‼︎‼︎…まさか…)内心焦っている素振りがバレないよう、コアは一瞥して、ヨーテモの後ろに控えて居た人影を流し見る。
「街に危険を及ぼさないのであれば、俺が守衛に融通をきかそう。」コアはそう言って、シュリ北門の門兵へと歩を進める。
「剣鬼コア様!何事ですか⁉︎」ウチナーでも指折りの著名人であるコアが、慌てて駆け抜けたせいで、守衛の門兵の2人は門を少し離れ、コアの身元に駆け寄って来た。
「いや、なんでもない!どうやら見間違えただけだったようだ。悪い!」コアは片手を挙げて気安く悪びれ、大した事ではなかったと、門兵の不安を取り除いた。
「こいつらは俺の知り合いだ、通行許可時間は過ぎてるが、通してやってくれ!」コアはガジュマル村を除けば、人族最強の地位にあり、国防を担う各部隊の指揮官に、稽古、指導をする立場にあった。
本来ならば、コア本人がその任に請われてはいたが、生来の面倒くさがりで、好きな冒険者稼業を営み、代わりにクエストとして、定期的に幾つかの部隊指揮官に、教えを説いていたのである。
従って、コアの風貌や声色、背格好、帯刀している大剣ですら、シュリの者なら誰しもが知っているほどに、著名であった。
最強が故に、有する権限は広く、大抵の事は融通される立場でもあった。
「わかりました‼︎」門兵は揃って敬礼をし、コアへ頭を下げて、駆け足で持ち場に戻る。
コアの後に続いて、ガジュマル村の一行は星明かりの元、シュリの街へと、門をくぐって行った。
「はーい、全員はやる気持ちはわかるが、なるべく声は小さく、行儀良く!だぞw」初めて街らしい街へと降り立ち、声高らかにはしゃぎたい子供達に、自制を促して、ヨーテモ達は街の通りを先へと進んで行った。
「屋敷に案内しよう。」コアの家は屋敷らしい!
朝を迎えたらギルドに向かう予定であった。
武技も魔法も使えるコアさん!
仲間に欲しいですね!人族の一般常識を学ぶ為にも、足手まといにならない人材を。
コアもんゲットだぜ‼︎‼︎




