第14話ー飛んで火にいるとは!
長旅ご苦労さまでしたねー!
夜分遅くにシュリへと着いた事もあり、集団で人が飛んでる事に気付けた者は、皆無に等しかった。唯一人、ウチナーに居る数少ないAランク冒険者の実力を保有する、剣鬼の二つ名を持つコアだけが、街に迫るあまりにも強大な魔力量を垂れ流す集団に気付き、対策はいかように…。慌て、怯み、唾を飲み、落ち着き、諦めた。
(なんだってんだアレは…魔力索敵で迫る速度は…人族の普通ではあり得ない。敵意こそ感じないが、ウチナーには俺より強き者など見た事ねーぞ!近いレベルくらいなら…居なくもねーけども…)コアは敵意を感じない事だけを頼りに、シュリの街の北門を抜け、気配の元へと向かった。
(俺が通じなきゃ誰も通じない…相手さんの最強に、手傷の1つでも先手取れれば…)まだ見ぬ格上の気配が2つ、並ばずとも劣りの小さい気配が複数感じとれる。焦燥感に駆られたコアは、平常の冷静さを欠いていた。
「「主、街の少しだけ手前で降りるのであるな?」」ミコトが最終確認をとる。
「そうだ。夜も遅いだけに、気遣って隠蔽せずに垂れ流した魔力、誰も反応しないと思ったけどwウチナーにも優秀な人族は残って居たか。」ヨーテモとミコト以外が、二人のやりとりを聞いて、魔力索敵をかける。
「なんか禍々しい気配放ってんすけどw」ナギがイラっとしている。もぅ…瞬間湯沸かし器なんだからw
シュリの街の北門がギリギリ見える程度の距離を取り、一行は飛翔魔法での初の長旅を終わらせる。そこに1人の大剣を携えた男が、恐らく身体強化されたであろう、中々のスピードで迫って来た。
星明かりの元では、一行が獣人であろうと、擬人化した竜人や、魔族の者であろうと、即座には判明しなかったのであろう。
何しろコアは夜目が効かない…。まだ老眼ではない、齢はヨーテモより少しだけ上だろうか。
ヨーテモはコアの狙いを悟り、敢えて一行の最前列へと、速やかに身を運び、ミコト以外を下がるようジェスチャーで指示を出す。
「てめーが親玉だな!恨みはねーが、悪いな!」コアは幼少より、今の今まで負けた事がなかった。
子供の頃に、大人に勝てた訳ではないが、同世代では頭2つほども抜けた存在であり、15歳の成人を迎えるよりも早く、人族最強、剣鬼の2つ名を呼ばれるようになって育った。
(明らかな格上だが…これなら‼︎)
鍛え上げられた幹の様に太い上腕は、少し背の低い大人の男性人族の背丈程もある、頑丈そうな大剣を軽々と振り抜…こうとした…はずだった…。
「「主人!?」」代わって組み伏せようかと思案していたミコトの心配を他所に…。
「良い剣筋だ!」ヨーテモは嬉しそうに、ハト銘の短剣を片手に、いなすこともなく、コアの大剣を…ピタリと止めた。
(さすがに素手で止めるのは、礼に欠く。)ヨーテモなりの配慮のつもりではあったのだろう。
「馬鹿な‼︎‼︎‼︎」コアの驚きは隠せなかった。
忘れてはいけないが、ただでさえヨーテモは過分に鍛え上げている、更に「引率者」スキルにより、直接信奉する多数の仲間のステータスを5割ずつ、その仲間を通じてつき従う、例えばテイマー仲間の従魔などが、更にその5割、つまり4分の1ほどのステータスが反映され、人外の域を遥かに超えているのである。
また、「引率者」スキルの裏特典として、信奉する者にも、信奉対象者のステータスに応じた、少しながらの底上げがなされている。
だからこそガジュマル村の子供達は、漏れなく秀逸なのでもあった。
「兄さん、はやる気持ちはわかるが、剣はおさめてくれ。仲間に危害1つ、殺気1つ…今より先は…許さんよ?」ヨーテモは平静の真顔で言う。
「ヒューーー‼︎‼︎カッチョよすっ!」一行の仲間の子供達が口々に賛辞とも煽りともとれる声をあげていた。
新しい人が増えました。
大丈夫かなー、、いやw
私の記憶がねw




