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第11話ー引き分け

誰一人欠ける事なく。

それがー1番大事ー

負けない事逃げ出さない事…

朝早くにナーハの森へと出たガジュマル村の戦士達が、森の主、今の名はミコトを従えて、村に戻ったのは陽が傾き、星が見え始める頃だった。


此度の遠征に参加する事が叶わなかった、未だ年少の、12歳未満の村の子供達は大いに沸き、仲間の一行を出迎えた。

10歳を超えた子供たちは、その他の11人に劣るとはいえ、同じように訓練も、仕事もこなせている。力量差がさほどもないリンやリュー、ヤマトは有望株だ。


「ギルド登録こそまだしてはいないが、お前たちも立派な冒険者になれるよ。」ヨーテモは出迎えてくれた少年少女に優しく語りかけ、頭を撫でていく。


「大っきい兄ちゃん姉ちゃん達ズリーなー!」リューの顔は悔しげだ。置いていかれて膨れっ面をしている。

「チョス兄やナギ兄にだって負けねーんだけどな…」リンも半べそかいていた。

「つか、どエラいベッピンのお姉さん、頭に角があるんだけど!どなた様?」食い気より色気、ませたヤマトの鼻息が荒い。


「今日から俺たちの新しい仲間、ミコトだ。」そう言うとヨーテモに背中を押されて、ミコトが恥ずかしそうにヨーテモの顔色を伺っている。

「「我が名はミコト、人族の言うところの、元はナーハの森の主である…いや、で、あった。今後はよろしく頼む!」」竜化(ドラゴニック)して咆哮をあげていた大声とは、程遠く、か細い声でモジモジしている。

「「我は人見知りするのだ、あいすまぬ。」」元の姿を見知りしている12人には、すごく新鮮であり、驚くよりもむしろ、可愛く思えた。


「ヨーさん、回復役(ヒーラー)攻撃手(アタッカー)とでは、魔獣の討伐数に差があるじゃない?不平等を感じる!」カズキの言い分はごもっともだ。


「俺は討伐数で競えなんて言っちゃいないwあれはチョスが煽っただけだよ。仲間内の自己満で競うと良い。」ヨーテモから見て、遠征に参加した村の仲間の子供達は、甲乙つけがたい程に、皆等しく効率良く動き、各々に見合った戦果を挙げていた。


「んーーー。まあいんじゃね?」ツキジ、それしか言えないの?w

「チェスは何体狩ったんや?」ニヤニヤしながらツキジが聞いてみる。

「おい!てめっ!殺すぞ!ww誰がチェスや!俺はチョスだ‼︎」2人は何かにつけて迷コンビなのだろう。


中位竜種(エルダードラゴン)なんかと、小鬼族(ゴブリン)なんか、同じ数でカウントされてもね!」クロラの言う事もよくわかる。

前衛盾役(タンク)を務めた者、撹乱、遊撃手だって、範囲魔法には及ばない。魔法使いが討伐数は絶対有利です。」淡々とハトが正論を唱える。


「チーム全体の戦果だ。誰が特別って事はない。村に残って守ってくれた子供達も、遠征に参加してくれたお前たちも、みんなありがとう!」着地点を曖昧にして、ヨーテモが濁して場をおさめる。

子供の頃ってみんな、なんでも競ってましたね

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