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アルトリア群像劇  作者: 香持続
アルトリア群像譚 第1章
1/5

ギャラリー無き絵画

アルトリア その世界には

剣や銃器の類いから始まり

あらゆるマナ(魔素)の溢れる世界だ。世界で魔法は生活には必要不可欠であり

他にも呪い、天命の類いから加護も存在する

それがこの物語の世界アルトリア


PM22:30頃

アルトリア北西


薄暗い森


深手を追った男は叫んでいた


『い、命だけは...』


懇願する


それを見下ろす三人の男達が居た


獣人の彼は言った

獣人『君が悪いんだよ?依頼だからね 仕方ないよねw』


男は懇願し必死の命乞いは

薄暗い森の中で木霊する


男『金なら払う!いくらでも払う!だから命だけは...命だけは!』


懇願に次ぐ懇願


見かねた美形のエルフが口を挟んだ


エルフ『やはり、別の選択肢は無いのだろうか?人間の命ですよ?倫理的に反する』


獣人『獣人である俺からしたら命の取り合いなんて日常茶飯事だよ?幾度となく体験してきたんだから』



エルフ『それはあなたの境遇の話だ。これは殺人だ。この男はモンスターには見えない。依頼とはいえ...』




話をぶった斬るように

翼を有した男が言う


龍人『誰もやらぬなら俺がやる!!』


それは咆哮のように森中に響くほどの大声だ


獣人『うるせえw 人気の無い森だとしても近くに人が居ないとも限らねえだろw』



エルフ『あー、、、これだから脳筋は...貴方の悪い癖ですよ?』


二人が龍人に問う。


龍人『叫んだつもり 無いぞ 話が(こじ)れるくらいなら俺が一思いにやる!!』


龍人には叫んだつもりはないらしい が 結果また叫んだ



獣人『いや だからうるさいよ?あいつ 自覚無いなこれww』


エルフ『ですがこれは依頼といえど、殺人なんですよ?貴方達の手を血で汚さず済む方法があるハズです』




獣人『宿とメシの為だ!依頼だし仕方ないだろ?どうする?』


三人の意見がバラバラだ


獣人は中立的

エルフは反対

龍人は即断即決である



倫理を絡んだ会話に三人が夢中になった隙をつき


三人を横目に、深手の男が

後退りしながらもコソコソと逃げ出す



その時だった

皆が会話に夢中だった

その刹那の出来事であった


そこに男がおびただしい出血をし立ち尽くしていた


それにいち早く察知したのは獣人だ


獣人『(スンスン...)血の匂い...』


獣人に引けを取らぬ形でエルフも僅かな音で察知していた



エルフ『これは...刃物の音と液体の音?梵、今なんと?血?』


森の中での刹那の出来事だった あまりの出来事に三人が臨戦体制を取る



???『やってやった...』


ナイフでトドメを刺し絶命させヒトコト呟く



その人物が崩れ落ちる男を見下ろしていた

その表情は満身創痍と言うべきか、憎悪の表情を交えていた。



遡ること 数時間前

AM10:00

場所はアルトリア首都の

とある美術店『slavish(スレイビッシュ)


三人は ひとつの絵画に見とれている


獣人『俺、こういう絵好きー!』


エルフ『ほーう。これは中々ですね。』


龍人『俺なら もっと上手い!』


そこへ絵画商人が声を掛ける



絵画商人『いやはや、お目が高い!この絵画は村の年端も行かぬ娘をモデルとした絵画でですね?私の自慢の絵画の一つです!どうですか?少々値は張りますがお安くしときますよ?』


獣人が財布を確認するが

それもそのハズだ

今晩の宿代すら危ういほどの持ち合わせしかない


それを見たエルフが返事する



エルフ『すみません。いま持ち合わせがですね...その...』




龍人が話を切る形で発言する


龍人『俺も絵 描ける ジジイ 俺の絵買え!』


商人から絵画の説明と

押し売りをされるが

龍人が絵心無いにも関わらず

俺の描いた絵を買えと商人に迫った


獣人、エルフは

今晩の宿代すら無い事と

龍人の斜め上の自信に呆れる


獣人、エルフ『いや、(絵心あんの/あったのですか?)? 龍人の絵見たこと(ねえぞw/ないですよ?)』


エルフ『それに今晩の宿代も危ういのですよ?貴方からも言ってやっておやりなさい』


獣人『よし!描いてみてくれw』

龍人は斜め上の自信を覗かせながら言う

龍人『任せろ!』


絵画商人の男は三人の実情を知り会話を切り上げ



商人『ちっ冷やかしかよ...』




三人に舌打ちしその場を去る



時は流れ AM11:50頃

此処は

クエスト案内所


此処には、各ギルド、個人、果ては、国の要人からも

クエストが日々舞い込んでくる冒険者御用達のクエスト案内所だ。


勢いよく扉を開いたのは...


獣人『メシっの種~メシっの種~っと』


エルフ『貴方、静かになさい。他の方々の迷惑を考えなさい 全く...。』


龍人『討伐クエスト...あるか?』


受付のお姉さんに声を掛けようとしていたその時


一人の長い黒のフードにコートという

出で立ちの娘がクエスト依頼をしに案内所へ



村娘の出した討伐クエストが受付される


討伐対象は詳細無記名のモンスターだという


村娘に獣人が声を掛けた


獣人『お嬢さん!討伐クエストかい?その依頼、引き受けるよ? で、討伐対象の話を聞かせてよ!』


年端も行かぬ娘は両親が

残した遺産を大枚として(はた)


三人は事情を聞いた


娘は言った


娘『討伐対象ですが大声では言えません 対象は男です 奴隷商人です。。引き受けて下さいますか?』


討伐対象が人間だという娘に対し


エルフ『生死は問わず...ですか?』


娘は言う『いいえ、討伐です ケダモノですから...』


エルフ『んー...』


考え込んだ末にエルフは再度聞いた


エルフ『ではその対象とは何処の奴隷商ですか?アルトリアの首都だけでも数人の奴隷商がおりますが...』


娘の返答は『わかりません。奴隷商人なのは知ってるんです...』


獣人『わかったよ お嬢さん引き受けるよ』


龍人『良いのか? 人間良いのか?』


エルフ『また貴方は軽率な... 事情もありそうですしモンスターが人間に化けてるケースも加味出来ますから...』


快諾した一行は聞き込み調査や噂話の類いを聞き回った


調査や噂話などの聞き込みはかなり時間を要した


夕刻  その人間が絵画商人の男という話を掴んだ



エルフ『これはひょっとしたら...午前中の美術店の...』


獣人『だな。これはひょっとするかもな。』


二人が示し合わせる


龍人『なんだ? 俺の絵を売りに行くのか?』


彼に呆れつつ一行は

足早に美術店へと向かった



PM7:00 slavish(スレイビッシュ)の前

店終いをしていた男に


声を掛けた



獣人『おじさん!こんばんは』


男は突然、声を掛けられ

びっくりしながらも返答する


男『なんだ!昼間の冷やかし御一行様じゃないですか?やはりあの絵画が気になって買う気になったのかい?』


エルフ『残念ながら違いますよ 奴隷商人さんですよね?貴方』


エルフが核心を突いた


その間に、獣人がすかさず龍人に目配りするも...



龍人『おっ!俺の絵か? 道すがら、描いといたぞ ほら...こ...』



男は脱兎の如く駆け出した!!


男は懐に隠していた笛を吹く


警笛が鳴り響いた 


すると


何処からともなく

鎖付きの首輪の付いた獣人族のワーウルフが現れた


男『やれ!命令だ!』


そう命令をした男は逃げる



ワーウルフが最初に狙う相手はエルフだ! 



エルフ『ちっ!速いですね!』


エルフは振り下ろされた爪による攻撃を回避に専念するように避け続ける


獣人がすかさず短刀を取り出しワーウルフを攻撃する


二撃がワーウルフを襲う

ワーウルフの叫びが木霊する



激昂したワーウルフの凶爪(きょうそう)が獣人を襲おうとした次の瞬間


エルフが弓で隙をつき強襲する!


ワーウルフは破魔の加護を受けた矢の攻撃に伏した。



男を三人が追う 途中、獣人の投げたナイフやエルフの矢が男にダメージを与えるも


なおも男は命からがら


森に逃げ込む男は観念したのか

はたまたスタミナが切れたのか


懇願していた 三人の意見がバラバラになり揉める隙をみて


逃げ出す深手の奴隷商人




男は刺され絶命

刺したのは


黒コートの娘『やってやった...』


獣人『...まあ依頼完了だよね?』


娘はフードを取る

村娘『両親の仇取れました...依頼達成です 満足です...』


泣きながらも何処か満足気な娘


復讐は果たされ依頼は達成されたが 後味は悪い。

声劇用台本ですが

此方にも小説としてそのまま投稿致します。

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