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彼女と奏でる戦の旋律  作者: 津田遊星
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山村の姉妹

 その日、レオダント山脈の天気は快晴だった。

「ふう、今日は暖かいね。なんだか気持ちがポカポカしてくるよ。」

気温計のないここの住人の人達には分からないがこの日の気温は3℃だった。

といっても夏でも氷点下を下回る事が当たり前のこの地の住人にとっては今日はとても暖かい日だった。

ここに住んでいるものは皆、学者とその家族だった。

未開の地が多いエルピア国では数多くの珍しい動物が生息しており、彼らにとってはレオダント山脈は絶好の観察スポットであり、そんな研究者達が住み着いたのがレオダント山脈の標高2000メートル地点にあるビスティー村である。

地図にも載っていないこの村には当然の事ながら何の娯楽もなく子供たちは親が止めるのを無視して自然の中で遊んでいた。

この日も町の広場には子供達がいた。広場といっても中央に巨大な木が立っている以外は何もなく。その中央にいるのが村の子供達のリーダー的存在のクロエだった。年は17と子供かどうかも怪しい都市だったが同年代の子供が村にいないためか、10歳以上年下の子供達と遊んでいる。本来であれば子供達を制する役割であるが、繰り返される自然の中での遊びはクロエが主導で行われていた。悪い意味で子供の心を忘れていない。世間の評価はそんな感じだった。

「皆、集まったわね、それじゃあ、皆、何しよっか? 」

クロエが皆に聞くと、鬼ごっこ、チャンバラ、缶蹴り口々に叫ぶ。

自然の中で思い浮かぶ遊びなんてだいたいこんなもんだろう。

子供達の中に一際大きな声を上げる少女がいた。クロエの妹のレミルだ。

人懐っこく年上に好かれやすく、7歳にしてすでに世渡り上手を思わせるような少女だった。

「ねえ、お姉ちゃん、私、かくれんぼがしたいな。」

その瞬間周りの子供達の顔が曇った、アリーはかくれんぼがとても得意だった。

嫌得意というレベルではない。



アリーはこの村に住む7歳の娘の好奇心旺盛な娘だった。

「ちょっと、アリー、待って。」

そんなアリーを呼び止めたのが姉のクロエだ。

両親がいつも忙しい彼女達はいつも二人で鬼ごっこをしたりかくれんぼをしたりして遊んでいた。

普通の人なら遭難してしまいかねないような厳しい環境だったが、小さい時からここに住んでいる二人にとっては特に危険な事だという感覚はなかった。

この日も2人は雪の中でかくれんぼしていて、この日はクロエが鬼だった。

体の小さいアリーは隠れるのが得意でクロエが大声で降参と叫ぶまで見つからない事がよくあった。

この日アリーは隠れ場所を探していると、何かいつもは感じない気配を感じた。気配をするほうに目を向けると茶色い巨大な生き物とその近くに倒れている人がいた。

アリーはこの生き物を知っていた。前にお姉ちゃんに教えてもらっていたのだ。

生き物の名前はラグル獰猛な肉食獣らしい。

「ひっ。」

思わず大きな声をあげたのが致命的だった。

ラブルは死んだように動かない倒れてる人よりアリーの方に興味を持ったようでアリーの方へ全速力で走ってきた。

アリーは足には自信があったが野生動物に勝てるはずもなく追いつかれそうになる。

その時、アリーは倒れた木と木の間に小さい隙間があるのを見つけてそこに逃げ込んだ。

しかしながら巨大生物も木と木の間に入り込もうとして手を伸ばしてくる。

「た、助けてお姉--------ちゃん。」

アリーがそう叫んだその時、ラブルは急に倒れこんだ。アリーが外に出るとそこにはクロエがいて、クロスボウを手に持っていた。どうやらそれで巨大生物を仕留めたらしい。

「お姉ちゃん、怖かったよー。」

泣きつくアリーをクロエは優しく抱き寄せる。

「良かった。間に合って本当に良かった、あんたが巨大な生き物に追われて木と木の隙間に入っていくの を見つけられてよかったよ。」

姉も安心したのか目に涙を浮かべていた。

しばらく感傷に浸った後、アリーはある事を思い出す。

「そういえば倒れてた人は? 」

「倒れてた人って? 」

「ほらあそこに」

アリーは先ほど人が倒れていた場所を指さした。







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