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徳永三姉妹  作者: 二宮世
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同僚は男の娘(不可抗力)

「名前は、君が礼儀をわきまえるようになれば教えてあげます」

「んだよそれ!意味ワカンネー!」

「それより、もうホームルームが始まっている時間なんですが。かなりの遅刻ですよ?」

「あ、ソレだよ!なんで門をあんなデカクしてんだよ!?そのせェで擦りむいただろ!!!」


…はぁ

何をとんちんかんな事を言っているの、この子は

それじゃ、学園の門を乗り越えましたと言っているようなものじゃ…


「私が門の前に着いた時、ちょうど登っておられました」

「急に声かけるから滑ったし!!」

「ごめんね」


事実でしたか

こんな破天荒な子をクラスに入れないといけないなんて

恨みますよ、理事長


「では、教室に行きましょうか。本来なら学校内の案内もしたかったんだけど」

「そうですね、ヒカはちょっとおてんばな所があるから」

「何だよソレ!」

「ま、そこが可愛いらしいんだけど」

「もうカワイクなんかない!男だぞ。カワイイばっか言い過ぎだってば」

「へ〜〜。」

二人の会話に、括弧ぼうよみ括弧閉じる的な返事をするしかない


「案内、後でやってあげよっか?」


豊かな艶のあるハイバトリンの持ち主が興味本位に話かけてきた

馬鹿め。この手の輩は近づかないのが基本だろうが

まぁ仕方ない

女子なら思春期に一度は通るであろう道を歩いてないのだから

なんせ、


「なんだよ!白衣なんか着て!ユウワクしようとしてるんだな!?保健室に連れ込んだりしてんだろ」

「…。」

「俺のが全然カワイーし。渉、行こうぜ」

「あ、待ってください。ヒカ、また迷子になりますよ」

バタバタと職員室から居なくなる二人の姿を見送る

ここで本来なら、内心嫌で嫌でたまらないが後を追って教室へ行かないといけない

しかし、未だにポカーンと間抜け面を晒している同僚を置いて行くにもいかず

にしても、間抜け面さえもキレイで可愛いってどうよ?

守ってあげたくなるの体現をしているとしか思えない

………正真正銘、男なんですけどねー

しかも内面は漢気あふれる(なんなら溢れ過ぎ)男前な性格


「徳永先生…」

「なに?有栖川先生」

「白衣…」

「そうね、理科の担当ですから。白衣は当たり前でしょう」

「あれって絶対、ちょっとエロい保健室の先生って思ってるよ、な?」

「そう、ちょっとエッチなまいっちんぐ的なヤツでしょう。多分」

「…。」

「…。」


お互いに、見つめ合う


「お互い様だな」

「お互い様ね」

これまで、何度となく何百回何千回と繰り返された言葉

実は大学の頃から友達だったから、もう慣れたつもりだけど、やっぱり疲れるわけで

朝からこれじゃ、一日持つかどうか

有栖川先生が、本当に保健室の先生だったら良かったのに

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