落ち込んでも仕方ない?
うっつらうっつら夢見心地。
慌ただしい喧騒も忘れて、ずっとこのままでいたい。
「……ら……き…て…。」
誰かがあたしの事を呼んでる?
やーだよ、ここは安らぎの場所だから。
「桜…仕方ないね。」
何が仕方ないんだ?
てか、嬉しそうな男性の声。
嫌な予感がする。
目覚める、目覚めるからま…ちゅって唇に何かが触れた。
物凄い勢いで目を開けるとローゼンさんの顔が間近にあるではないか?!
こんな至近距離で見ても美形は揺るがないね!
近すぎるよ…顔が段々赤くなってくのがわかる、顔が熱い…。
「目覚めにはキスって本当なんだね。」
キラキラと嬉しそうな笑顔の爆弾発言にあたしは恥ずかしくて爆発しそうだよ!
キスされた!
美形からキスされた…?
「あれ?ローゼンさんが目の前にいる?」
「それはね、とりあえず鏡見た方が早いね。」
ローゼンさんはそう言ってあたしに鏡を見せた。
鏡に映るのはふわふわなローズクォーツの髪は腰辺りまであって真っ黒な瞳をした美少女。
そう、美少女だ。
「ど、ど、どうしてぇー?」
美形の次は美少女になってたなんて…どんだけだ?
性別は戻ったけど何故に子供?
あたし…成人してるのにー!
「動揺してる桜も可愛い。」
ローゼンさんは頬にちゅーをした。
え?更なる混乱があたしに降りかかる。
脳内が考える事を拒否したいようだ。
「色々と驚かせてごめんね?とりあえず桜が気を失った後の話をしよう。」
あたしが気を失った後、ローゼンさんが元に戻りアメリーさんに怒ったそうだ。
そしてアメリーさんに依頼していたモノを貰いローゼンさんの家に帰宅し、それを依り所にして今のあたしがいるらしい。
あたしの存在って何?
ローゼンさん達って何者?
色々な疑問があるのに…ぐぅーーーとお腹が鳴った。
「まだ幼少期だから、ご飯にしようか?」
笑顔のローゼンさんに手を引かれ寝室らしき所から食堂らしき所に移動した。
そうだよね、腹が減っては戦は出来ないからご飯にしよう!