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掴んだ手は  作者: 蘇芳
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ドキドキだらけです!


あたしの突然訪問にヴィルディは笑顔で迎えてくれた。


ヴィルディはあたしの気持ちを聞きながら相槌を打つ。

そして、時々苦笑した。


「恋愛の感情はとても難しいものですわ。」

「やっぱり?」

「私も理解出来ませんもの。勉強の様にはいきませんわ。」


勉強の様にはいかない…確かにそうだよね。

ヴィルディも理解出来ないと言われて親近感。

彼女も恋する乙女だ。


「なんて言うかね。自分ばっかドキドキしてる気がしちゃうんだ。」


少し恥ずかしげに笑うとヴィルディがクスリと笑った。

その笑みは妖しげで悪い予感がする。


「ですって、ローゼン。」


ローゼンさんが現れる。

例の如くお迎えに来てくれたんだよね?

このタイミングだと有難いやら困惑するやらだよ!


「ではまた、ごきげんよう。」


綺麗に笑うヴィルディに見送られてローゼンさんと帰宅する。

あ、自然と手を繋いじゃってますよ!おみそれいるな。


「桜には俺のドキドキしてるの伝わってないの?」

「いつでも余裕たっぷりに見えてるよ。」


そう答えたあたしにローゼンさんは少し不満げになった。

そしてクイっと手を引かれたと思うとローゼンさんに抱き締められている。


「ろ、ろ、ローゼンさん?」

「ほら、聞こえる?俺のドキドキ。」


抱き締められて狼狽しているあたしに無理難題を突き付けてるよ?

ドキドキしてるのは、あたしだっての!




こうやって、あたしの日常はドキドキに溢れて過ごされてくのであった。




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