解放
一通の手紙が届く。
「なあ、やっぱり会いたい」
私がメンヘラだからって言ってフラれたのに今度はなんだよって思う。
それから私たちは月日を過ごした。
一緒にカフェに行ったりお祭りに行ったり、婚約指輪だって一緒に選んだの。。
1人で怒り出しては、急に慰めに来たり。
こいつの考えていることはだいたいわかるさ。
もういいんだよ。
全て、閉じ込められて虐待されて、心が壊れた私が悪いんだろ?
どうでもいいよもう。
2人でランタンの祭りに行く。
大泥棒フリンは、私に「結婚してください」と。
「結婚……するわけねえだろクソモラハラ野郎」
そのまま海に婚約指輪を捨てる。
指笛を吹くと魔法の絨毯が迎えにくる。
「あれ、言ってなかったっけ? 私、魔法使いなの」
そうしてウインクすると、彼は眉間にシワをよせ、私の手を引こうとする。
それを弾き、そのまま魔法の絨毯に飛び乗って、夜空を駆け巡った。
海の上、ランタンが飛び交うの中を飛び回るのはとっても綺麗で。
私はずっと、ずっと、ずーっと、あの塔から脱出した日から、何かに閉じ込められてたんだと思う。
何に閉じ込められていたのかはわからないけれど、今、この広い夜空を飛び回っている瞬間、この瞬間だけは、それから飛び出せたような、そんな気がしたんだよ。




