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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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99/444

北関東スリーアローズ疾走!――鬼教官と弟子2人、哀愁のドサ回り五番勝負!

「よし、次のツアーは――北関東五都市・弾丸一日ドサ回りだ!」


太田すみれコーチが言い放った瞬間、

唯奈と結花は同時に固まった。


唯奈(常陸太田市出身の野生児)

「……いま、なんつったっぺ?」


結花(那須塩原の令嬢)

「五都市……いっぺんに……? あらやだ、聞こえ間違いでしてよね?」


しかし、すみれの目は本気だ。

しかもキラキラ輝いている。

“こういう無茶が青春なんだよ!”みたいな顔で。


遥広報官:「すみれさん、さすがに詰め込みすぎじゃ……」

すみれ:「大丈夫! 車飛ばせば間に合う!」

隼人司令補佐官:「その“飛ばす”は法律的に大丈夫なやつですよね?」


返答はなかった。


●茨城県・笠間市


午前9時。

陶芸で有名な静かな街に、北関東スリーアローズが降り立った。


唯奈:「笠間のみんないぐべー!!」


……半分くらい聞き取れた。大進歩である。


結花は昭和アイドルのような微笑みで

「皆さま、ごきげんようでございますの〜」

と手を振ると、

地元の高齢者たちが「まぁ可愛いねぇ」とざわつく。


限定グッズ第1弾(缶バッジ)は即完売。


何故か隣で売っていた

“船橋産の採れたてイチゴ”も爆売れ。


笠間の人々:「イチゴうめぇぇぇ!」

唯奈:「オラたち、関係あんべか?」

すみれ:「細けぇことはいいの! 売れれば勝ち!」


●栃木県・足利市


昼過ぎに到着。

すみれの運転が速すぎて、唯奈と結花は軽く車酔い。


すみれ:「ほら立て! もうすぐ本番だ!」

唯奈:「うっぷ……コーチがラリー選手に見えてきたっぺ……」

結花:「わたくしの優雅な胃袋が……揺られておりますわ……」


ステージが始まると、結花は超回復し、

「足利の皆さま、愛しておりますわ!」

と昭和のアイドル調で投げキッス。


客席のアイドルヲタクたち大歓喜。


唯奈は子どもたちにドローンの操作方法を教えて、

瞬く間に少年たちの心を掴む。


●群馬県・館林市


午後2時。

暑さと疲労で唯奈も結花もヨレヨレ。


しかしステージに上がった瞬間ーー


唯奈:「桐生ぅぅ! 今日も元気だっぺよーー!」

結花:「皆さまの街、風情があって素敵ですのね!」


お客さん:「なんかこの二人、クセになってきた」


すみれは袖でニヤリ。


「……これだよ、これ。

北関東スリーアローズの輝きが見えてきたねぇ」


●栃木県・栃木市


午後4時。

疲労のピーク。

すみれはまだ元気。


唯奈:「コーチ……オラ限界ちか……」

結花:「すみれ様……わたくしの足腰も……そろそろ……」


だがステージに立つと復活。


唯奈の茨城弁は

もはや半分以上標準語に寄っている!


観客:「なんか今日は聞き取りやすくていいな!」


結花のハイブリッド言語も

「皆さま、ごきげんようでごぜぇましてよ!」

という奇跡のバランスで安定。


地元の子どもと高齢者が両方盛り上がるという

謎の世代横断現象まで発生した。


●茨城県・結城市


午後6時。

空は夕焼け。

もはや三人とも魂でステージに立っていた。


すみれ(凛と立つ):

「北関東のみんな! 私たち、今日一日全力で走ってきたよ!」


唯奈:「今日のオラ、なまら強ぇーべ?」

客:「唯奈〜〜!!」


結花:「皆さまに愛されて、わたくし幸せですわ……でしてよ」

客:「結花〜〜!!」


グッズは爆売れ。

イチゴも爆売れ。

すみれは満足げに空を見上げた。


「……よく走ったな、北関東スリーアローズ」


唯奈と結花はヘロヘロになりつつ笑っていた。


唯奈:「コーチ……今日はマジで死ぬかと思ったべよ……」

結花:「でも……たくさんの方々が……応援してくださって……」

すみれ:「そう。人気ってのはな、汗かいて、場数踏んで、

少しずつ掴んでいくもんだよ。」


そして後部座席の二人は

ほぼ同時に眠り込んだ。


すみれはミラー越しに二人を見て、

静かに笑った。


「……よし。こいつら、絶対大物になる」


北関東スリーアローズの弾丸ドサ回り五番勝負。

哀愁と汗と笑いが混ざりあう、

最高に“北関東らしい”一日だった。


三本の矢は、確かに軌道に乗り始めていた。


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