北関東スリーアローズ爆誕!――鬼教官すみれ、突貫ドサ回り大作戦
富士市の「国家特務戦隊ヒロイン中央研修複合学習センター富士川分室」。
都市対抗で優勝チームを輩出した“野球が強い街”として知られる静岡・富士市の片隅で、
重大発表が静かに行われていた。
太田すみれコーチが、腕を組んで前に立った。
「今日から……唯奈と結花を育てるために、
北関東三県で派生ユニットを組む。名前は――
北関東スリーアローズ。名付け親は私だ。」
小春、みのり、麗奈、澪、沙羅が一斉にどよめいた。
唯奈(常陸太田市育ちの野生児)は
「ほ、ほんきかよコーチ!? オラもユニットなんか入っちまうだか!?」
と半泣き。
結花(那須塩原の令嬢)は
「わ、わたくしもそちら側の人間になりますの……? あらやだ、緊張で脚が震えてましてよ」
とお嬢様言葉と栃木弁が混線。
遥広報官は満面の笑みで言った。
「唯奈ちゃんと結花ちゃんは“育成型戦隊ヒロイン”。
すみれコーチが現場経験を積ませて、一人前に育ててくれるわ!」
すみれが腕を鳴らす。
「よし、まずは私たち三人で北関東を回る。
ドサ回りで場数踏ませてやるから覚悟しな!」
唯奈:「うおぉ……やべぇやべぇ本格的だっぺ……」
結花:「ど、ドサ回り……わたくし初めて聞きましたわ、そういう文化……」
すでに波乱の匂いしかしない。
●本編:北関東スリーアローズ、初のドサ回り
その発表からわずか数日後。
新生ユニット“北関東スリーアローズ”は、
水戸・宇都宮・前橋の三都市を一日で回るという荒業に挑んでいた。
リーダーのすみれは黒髪をなびかせながら気合十分。
「ほら唯奈、結花! 北関東の風になって走るよ!」
唯奈は緊張で硬直しながら
「お、おら今から飛ばしちゃうっぺよ〜〜!」
結花は優雅にポーズを決めながら
「皆さま、ごきげんようでしてよ〜……ごぜぇますの?」
語尾がとっ散らかって観客がクスッ。
すみれは苦笑いしつつも誇らしげだ。
●午前:水戸市のショッピングプラザ
唯奈の茨城弁が炸裂。
「みんなぁ〜、今日もたっしゃで頑張っぺよ!」
子どもたち:「“たっしゃ”って何ー?」
すみれ:「唯奈、ゆっくりでいいから標準語に寄せよ?」
唯奈:「りょーかいっぺ!」
結花はというとーー
「本日はようこそお越しくださいましてごぜぇましてよ、あらやだ混ざりましたわ!」
観客爆笑。
すみれは「よし、これでウケは取れた!」と満足。
●午後:宇都宮市のファッションモール
昼食におにぎりを食べながら、結花は真剣に言う。
「コンビニおにぎりって芸術なのですね。外の海苔が“パリッ”と……すばらしい文化ですわ」
唯奈:「おら昔から普通に食ってたっぺよ……?」
ステージが始まると、唯奈の茨城弁がなぜか少しだけ滑らかになっていた。
「今日はみんな、ありがとだっぺよ〜!」
結花のハイブリッド語も落ち着いてきた。
「わたくしたちは北関東の誇りでありますわ。ありがとうごぜぇます!」
観客は「なんかクセになる」と拍手喝采。
すみれは「成長しとる!」とガッツポーズ。
●夕方:前橋市の大型ショッピングセンター
ラストステージ。
すみれのテンションが最高潮。
「北関東の風は止まらないよ!
私たち三人、まとめて来なさい!」
唯奈:「うおぉー!」
結花:「足腰だけは負けませんわのよ!」
ステージ後の物販コーナーではーー
「北関東スリーアローズ缶バッジ完売でーす!」
「アクスタ残り3個ですー!」
そしてなぜか並んで売られている
“船橋産の採れたてイチゴ”が爆売れ。
客:「このイチゴ、甘っ! スリーアローズ関係ないけど買うわ!」
すみれ:「よし、物販も勝利だ!」
唯奈と結花は感動していた。
●帰りの車内
唯奈:「コーチ……今日めっちゃ楽しかったっぺ……」
結花:「わたくしもですわ。一般庶民の皆さまの熱気が素晴らしいですのね……!」
すみれは腕を組んだまま、にやり。
「まだ始まったばかりだよ。
次は北関東五連戦ツアーだ。覚悟しな!」
唯奈&結花:「えぇぇぇーーーっ!?」
しかしその表情は、どこか誇らしげだった。
北関東スリーアローズは今日もどこかで風を切って進む。
鬼教官すみれの背中を追い、
唯奈と結花は確かに成長しつつあった。
まだまだ荒削り、でも伸びしろ無限大。
三本の矢は、北関東に新たな伝説を作り始めていた。




