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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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88/443

遠州の勇者、美音の“洗剤に負けた日”──藤枝PRクイズ大会の屈辱

藤枝駅前。

遥広報官と隼人司令補佐官は仲良く抹茶ラテを啜っていた。

隼人は爽やかさ全開、遥広報官は駿河弁で少し柔らかい笑顔をこぼす。


「美音さん、頑張っとるけど…地元新聞さんの扱い、雑すぎるだよねぇ」

「ええ、あれはさすがに気の毒でございますね。では“新聞社とのタイアップ企画”をお願いしてみましょうか」


ふたりは早速、遠州エリアの老舗・遠州日日新聞社へ向かった。

新聞社の建物は昭和の香りが濃厚で、受付には茶色いソファと謎の観葉植物。


隼人が丁寧に頭を下げる。

「河合美音さんの地元PRに、ぜひお力添えをいただければ…」

何故か新聞側は明らかに嫌そう。

「いやあ…うちは、あくまで硬派な地方紙でして…」


だが、遥広報官の静岡美人スマイルに押し切られ、

最終的に 『郷土PRクイズ大会 in 藤枝』 の共同開催が決定した。


――そして当日。


藤枝市文化センターには、年齢層高めの市民が続々集まった。

司会を務めるのは、遠州の勇者・河合美音。

ハーモニカを吹きたかったが、今回は我慢してマイクを握る。


Q1. 藤枝駅前の再開発ビル「BiVi藤枝」。

“ビビ”の由来は何を意味している?


A. ビビッとくる再開発

B. Vivid(鮮やか)の略

C. 日替わりで意味が変わる“ノリ”

D. 特に深い意味はない(関係者が勢いで決めた)


「B?}

「正解です!」


Q2. 藤枝名物の「朝ラーメン」の由来として最も有力なのは?


A. 漁師が早朝にラーメンを食べた風習

B. 商店街の人が市場帰りに食べていた

C. 夜更かし学生の深夜ラーメン文化が朝にズレた

D. そもそも“朝”は気持ちの問題


「C?}

「違います。正解はBです。

市場仕事を終えた人たちが朝からサッと食べられる一杯として自然発生したが最も有力とされています」


Q3. 藤枝市はサッカー王国静岡を支える名門クラブのホームタウン。

クラブ名は?


A. 藤枝ブルースターズ

B. 藤枝MYFC

C. 藤枝ロングパスFC

D. 藤枝ミルフィーユ


「B?}

「正解です!

名前の由来は

My Football Club(自分たちのクラブ)

というファン参加型がルーツです」


会場は意外にも盛り上がる。

しかし、注目が集まったのは……

優勝賞品“洗剤詰め合わせセット” に対してだった。


「え!あの洗剤、高級なやつだぞ」

「洗剤詰め合わせやって!ほしい!」


完全に洗剤の人気が美音を上回っていた。


結果発表後、恒例のサイン会。

美音の列は……えーと……一本の線ですらない。

椅子がポツン、机がポツン、そして美音がポツン。

隣で開催された物販は賑わっていたが、

美音のグッズだけ見事な富士山盛りの在庫が鎮座していた。


しかも並行して今回も販売された

「三ケ日みかん500円」 は、開始3分で即完売。

おばちゃん達は「美音ちゃん頑張ってねぇ〜」と言いながら

みかんを山ほど持って帰った。


美音は微笑んだ。

優しい、優しい笑顔だった。

その背中には、駿河湾からの風がちょっとだけ吹いていた。


遥広報官は隼人に小声でつぶやく。

「隼人さん…これでは、美音の人気アップにはならんと思うだよ…」

隼人は苦笑しながら

「……次の作戦を考えましょう。必ず美音さんを輝かせます」


だがこの日の藤枝には、

“洗剤にも完敗した遠州の勇者” として美音の新たな伝説だけが刻まれたのだった。


――そしてこのズレた企画シリーズは、まだまだ続く。


▼このイベントの新聞記事

【遠州日日新聞】

藤枝市で当社協賛クイズ大会開催、みかん即売会に長蛇の列


藤枝市で当社協賛の郷土PRクイズ大会が行われ、会場は朝から多くの市民で賑わった。司会は戦隊ヒロインの河合美音さんが務め、テンポよく進行。

イベント後に実施された三ケ日みかん即売会は想定以上の人気で、用意した箱が早々に完売。会場は終始活気に満ちていた。

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