遠州の勇者・美音、三ケ日でまた“なお扱い”!? 星がまたたく蒲郡ナイトデートで生まれた悲劇
愛知県・ラグーナ蒲郡フェスティバルマーケット。
ライトアップされた海辺、潮風、カップルだらけ。
その中に、完全に“業務話モード”の二人が紛れていた。
遥広報官
「なぁ隼人さん、美音ちゃんの人気…このままじゃいかんよねぇ。」
隼人司令補佐官
「河合さんは完璧すぎるのが問題なのかもしれませんね…。
ですが、改善策を考える必要があります。」
波の音、夜景、雰囲気は完全にデート。
だが会話は完全に職務。
そこへ遥広報官、急に顔を上げて言った。
「三ケ日の“みかん狩りバスツアー”なんて最高じゃん!?
美音ちゃん、地元の子だし!」
隼人司令補佐官の表情が固まる。
なぜか急に目を伏せて重い声で言った。
「い、いえ…バスツアーは…危険です。
世の中には“伝説級の失敗バスツアー”がございまして…
大人たちが二十年語り継ぐレベルの…地獄が…」
(※いまなお語り継がれる七夕に企画された“アイドルと行く悪夢バスツアー”)
遥広報官はにっこり笑い、夜景に照らされてキラッと輝いた。
「うちがやるバスツアーは大丈夫だよ。
食事も普通、料金も普通、スケジュールも普通。
“ああいうバスツアー”とは違うでしょ。」
隼人司令補佐官、惚れてるので反論不能。
「……では、慎重に企画いたしましょう。」
こうして、遥&隼人プロデュースによる
“美音と行く!三ケ日みかん狩りバスツアー”
が爆誕した。
――――◆イベント当日◆――――
満員の観光バスは三ケ日へ一直線。
美音は車内でハーモニカ演奏を披露。
高齢者が涙ぐむほどの美しい音色で雰囲気は最高。
現地のみかん畑では、美音が直接みかんを手渡す“おもてなし仕様”。
みんな大喜び。
写真を撮る手が止まらない。
――だが、その後が問題だった。
★美音サイン会
→ 列には数名。
★隣の「三ケ日みかん500円詰め放題」
→ 列が蛇のように伸びる。
さらに美音には…
「すみません…家族写真撮ってもらえます?」
「トイレってどこですか…?」
もはやスタッフ扱い。
美音は微笑んで丁寧に対応するが、
サインは一向に求められない。
遥広報官(遠い目)
「みかんが主役になっとる…」
隼人司令補佐官(深いため息)
「河合さんは優秀すぎて逆に“庶民ウケ”しないのかもしれません。」
★アンケート結果
・みかんが美味しい
・みかん畑が良かった
・みかん詰め放題が最高
――美音の名前、一つもなし。
イベントは大盛況。
美音はまたも“なお扱い”。
でも彼女は誰かのスマホを笑顔で構え、
「はい、撮りますね」と優しくシャッターを押している。
その姿は――どこまでも健気な、遠州の勇者だった。




