大柳ヶ瀬虚言大王外伝 〜帝王まさにゃん、夜の社交界で天下統一を語る〜
柳ヶ瀬の夜。
ミラーボールの光が乱反射し、昭和歌謡が流れ、シャンパンタワーが乾いた音を立てる。
その中央に、仁王立ちでハンカチ王子ばりに前髪を払う男――
“柳ヶ瀬の帝王”こと、まさにゃん。
キャバクラ嬢たちは半ば呆れ、半ば興味本位で取り囲む。
まさにゃんは、グラスのシャンパンをクイッとあおり、
今日も堂々たる“虚言ショータイム”を始めるのだった。
◆ 帝王の華麗なるホラ話①
「美月はリーダー格やけどな、実はワシの指示がないと何もできんのや」
キャバ嬢A
「え〜、そんなことあるぅ? あの子めっちゃ強そうやん」
まさにゃん
「いやいやいや。ワシの“戦略メモ”通りに戦っとるだけや。
あれは言うたら“ワシのパペット”。操り人形やで」
(※事実:美月はまさにゃんのことを“昼行灯の置物”扱い)
◆ 帝王の華麗なるホラ話②
「彩香は強気に見えるかもしれんけどな…めっちゃ打たれ弱いんや」
キャバ嬢B
「そうなん?怖そうやのに」
まさにゃん
「何度もワシの腕の中で泣いてなぁ。
『葛城さんしか頼れへん』て甘えてきよるんや」
(※事実:彩香は播州弁で“葛城ぃぃ!舐めとったら潰すぞワレェ!”と日常的に凄む)
◆ 帝王の華麗なるホラ話③
「綾乃の京言葉、全部ワシが教えた」
キャバ嬢C
「えっ!? あれ素で上品なんじゃ…」
まさにゃん
「いや〜、昔は『なんでやねん』とか言っとってな。
全部ワシが直したんや。“はんなりメソッド”や」
(※事実:綾乃は生まれた瞬間から京都弁)
◆ 帝王の華麗なるホラ話④
「麻衣の“紀州の舞姫”いうキャッチコピー、ワシのセンスや」
キャバ嬢D
「えぇ〜素敵やんか!すごい!」
まさにゃん
「まぁまあ、ワシは紀州と縁もゆかりもないけどな。
イメージや、イメージ。ワシには見えるんや、舞う彼女が」
(※事実:名付け親は遥広報官。まさにゃんは関係ない)
◆ 帝王の華麗なるホラ話⑤
「あかりは四日市までワシがスカウト行ったんや」
キャバ嬢E
「四日市って三重の!? すごい情熱!」
まさにゃん
「そや。四日市の駅前で走ってる子見てな、『こいつや!』と直感した。
まさに“運命の出会い”やな」
(※事実:あかりは全国応募の書類審査で勝手に来た)
◆ 帝王の華麗なるホラ話⑥
「遥広報官? あれはワシにゾッコンや」
キャバ嬢全員
「キャーー!素敵ぃぃ!!」
まさにゃん
「まあな。アプローチがすごくて困るんや。
ワシは仕事人間やから、恋愛は後回しやって返してんねん」
(※事実:遥広報官→隼人補佐官にゾッコン。まさにゃんは“おもろい上司”扱い)
◆ 帝王の華麗なるホラ話⑦
「波田司令長官はもうすぐ引退や。次期司令長官はワシや」
キャバ嬢F
「えっ!? すごい出世やん!」
まさにゃん
「まぁ、ワシほどの人材おらんし? 国がほっとかんやろ。
司令長官になったら海外任務はもちろんや。
宇宙に飛び出す計画も作っとるで!」
(※事実:波田司令長官は退職予定なし。健康そのもの)
◆ 帝王、ついに宇宙へ
シャンパンボトルを豪快に開けながら
まさにゃんは大風呂敷を広げ続ける。
まさにゃん
「宇宙ヒロイン部隊を創設するんや。
ゼロ・グラビティ戦闘やで? ワシが総指揮や」
キャバ嬢たち
「すごーーい!」「宇宙とかヤバい!」
(※事実:企画書すら存在しない)
その夜。
VIPルームから出てきた“柳ヶ瀬の帝王”まさにゃんは
満足げに鼻歌まじりで歩いていた。
だが――
その背後にだけは、うっすらと昭和のネオンが泣いていた。
こうしてまたひとつ、柳ヶ瀬に虚言が降り積もった。
まさにゃん伝説は今夜も更新され続ける――。




