届け、この声援!
神戸の青空の下。
西陽を受けてキラリと光るアルミバットの残響が、スタンドの興奮に火を点けた。
「イッケーッ! 三浦ぁぁぁッ!!」
河内弁の太い声援がグラウンドに響いた瞬間、それまで緊張の色を浮かべていた選手たちの表情が変わった。
「よっしゃぁぁぁ!!」
主将・三浦拓真の振り抜いた打球が、ライト線を切り裂く。走者が一気に二人帰り、ベンチが沸く。
それと同時に、スタンドのチアリーディングサークル「スパークル☆ブルーム」も、手を取り合って跳びはねていた。
「やったで! 決まったわ!」
赤嶺美月は満面の笑みを浮かべ、隣のメンバーと抱き合う。
スタンドからグラウンドへと続く声援のバトンが、確かに選手たちに届いた。
ブラスバンドの応援曲に合わせて披露した美月のジャンプ・バク転・エールは、誰よりも熱かった。
「うちらの声で、ちょっとでも届いたらええなって思うててん。でも、まさかほんまに優勝するとはな!」
戦隊ヒロインとしての顔を持つ彼女だが、いまはただの“チアリーダーの美月”だった。
その笑顔には、戦闘時の恐ろしい河内弁も、国家プロジェクトの重責もなかった。
ただ、応援したい気持ちだけが、彼女の胸をいっぱいにしていた。
ドラフト候補・三浦拓真外野手(近畿学院大 主将)のコメント
「正直、点が入らん時にスタンドから聞こえた“イケるでぇ!気合い入れんかい!”で目ェ覚めました(笑)。
美月先輩の声援は、鼓膜を超えて魂に届くんですよ。最後は“打たなアカン!”って気持ちだけでした」
全国紙地方版スポーツ欄記事
近畿学院大、歓喜の春季リーグ制覇!
全日本大学野球選手権出場決定
春の近畿六大学リーグは、近畿学院大学(東大阪市)が逆転勝利で優勝を決め、全日本大学野球選手権への出場を決めた。
八回裏、同大の主将・三浦拓真外野手(4年)が放ったライト線への逆転打で勝ち越し、そのまま逃げ切った。
グラウンドの熱戦を支えたのは、スタンドから送られた熱烈な応援だった。特に注目されたのが、同大のチアリーディングサークル「スパークル☆ブルーム」に所属する**赤嶺美月さん(経済学部3年)**の存在だ。
赤嶺さんは、国家プロジェクトの戦隊ヒロインとしても活動する東大阪市在住の女子大生。童顔の美少女でありながら、戦闘時には“恐怖の河内弁”で敵を圧倒するカリスマ的存在。
この日も、ブラスバンドの応援曲に合わせて激しいアクロバットと魂のこもったエールを披露し、選手たちの士気を大いに高めた。
「普段は普通の学生やけど、応援してるときはヒロインでもあるんやで」と語る彼女の姿に、多くの観客が心を動かされた。
今年の神宮大会、ヒロインの声援が再び奇跡を呼ぶか、注目が集まる。