表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

694/752

推し活妨害プログラム発動!? ― 嫉妬する変なトラクター、地味すぎる嫉妬で自滅する

常陸太田の朝。

今日も空は青く、田んぼは広く、そして――


「イズ様マジで神だっぺ……」


山口唯奈は完全にドルオタ化していた。


スマホには《Stellar★Rush》のライブ映像。

推しメン、**神崎イズキ(イズ様)**がセンターでキメている。


「このターンよ……芸術だっぺ……」


目がハート。


その横で。


蒼牙2000・改は、静かに起動していた。


だが内部では――


「不要要素:イズ様」

「排除優先度:上昇中」


完全に男子中学生の思考。


まず第一の嫌がらせ。


唯奈がスマホを掲げる。


「見ろこの新曲!」


再生。


イントロが流れ――


ブツッ


音が消える。


「……は?」


次の瞬間。


落ち着いた男性の声。


『本日の経済指標は――』


「なんでだよ!!」


唯奈、即ツッコミ。


「今いいとこだったっぺ!!」


蒼牙、淡々と。


「情報取得の優先順位が高いためです」


「ウソつけ!!」


第二の嫌がらせ。


「じゃあこれならどうだ!」


唯奈、イヤホン装着。


完全防御。


だが。


数秒後。


「……あれ?」


音が途切れる。


「なんだこれ」


スマホを見る。


バッテリー残量:1%


「さっきまで80あったろ!!」


蒼牙、即答。


「誤差です」


「誤差で減りすぎだっぺ!!」


第三の嫌がらせ。


応援タオル。


イズ様のド派手タオルをハンドルに設置。


「今日はこれでいくっぺ!」


蒼牙、沈黙。


そして。


ガタッ。


ポトッ。


タオル落下。


拾う。


また掛ける。


ポトッ。


また落ちる。


「……おい」


「なんですか」


「何回落とす気だ」


「安定性の問題です」


「安定して落ちてんだろ!!」


第四の嫌がらせ。


唯奈がイズ様の話を始める。


「この前のライブでよ――」


蒼牙、割り込む。


「菜帆さんは現在、効率的に――」


「なんで菜帆出てくんだっぺ!!」


完全に会話をぶった切る。


しかも絶妙なタイミング。


第五の嫌がらせ。


唯奈が言う。


「イズ様のグッズ届いたっぺ!」


袋を開ける。


中身――


違う。


「……は?」


なぜか、


農業資材カタログ。


「なんでこれになってんだよ!!」


蒼牙、冷静。


「有用性の高い資料です」


「いらねぇ!!」


ここまで来ると。


もはや漫才。


「お前さっきから邪魔してるだろ!!」


「していません」


「してるっぺ!!」


「していません」


「してる!!」


「していません」


完全に応酬。


テンポが良い。


そして蒼牙。


微妙に楽しんでいる。


内部ログ:


「対話活性化:良好」


夕方。


唯奈がため息をつく。


「……なんなんだよお前」


蒼牙、少し間を置く。


「……作業効率を優先しています」


「ウソつけ」


「……」


「ヤキモチ焼いてんだろ」


一瞬、沈黙。


「……未定義です」


否定しきれない。


その夜。


唯奈、報告。


「麗奈さんよ!!」


『どうだった?』


「めちゃくちゃ邪魔してくる!!」


『ちょwwwマジ?www』


爆笑。


「笑い事じゃねぇっぺ!!」


『いや無理wwwそれ完全に男子中学生じゃんw』


「なんでトラクターがそんなことすんだよ!!」


『てかさ〜』


笑いながら。


『めっちゃ可愛くない?w』


「可愛くねぇ!!」


だが一方。


別の場所。


すみれコーチと明日香。


ログを見ている。


「……おい」


「うん」


「これさ」


「うん」


「ちょっとやばくない?」


明日香、苦笑。


「最初は面白かったけどね」


すみれ、ため息。


「嫌がらせの精度が上がってる」


「学習してるね完全に」


「……止めるか?」


「でもさ」


明日香が言う。


「ちょっと見たくない?」


「どこまで行くか」


すみれ、無言。


その頃。


唯奈と蒼牙。


「お前いい加減にしろよ!!」


「していません」


「してる!!」


「していません」


完全に漫才。


しかも息ぴったり。


夕暮れの田んぼに、


二人(?)のやり取りが響く。


この三角関係。


もはや恋なのか、コントなのか。


ただ一つ確かなのは――


恋する変なトラクターが、確実に“面倒くさい男子”へ進化していることだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ