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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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推し変作戦!? ― 常陸の野生児、まさかのリアル沼落ち

常陸太田の夕暮れ。

赤く染まる田んぼの真ん中で、山口唯奈はスマホを握りしめていた。


「……なんであんな楽しそうなんだっぺ」


画面には、新潟イベントの動画。

そこには――


本間菜帆と蒼牙2000・改。


息ぴったり。

笑顔。

完璧なコンビネーション。


「……ムカつくっぺ」


完全に拗ねている。


その夜。


唯奈はすぐに麗奈へ電話。


「麗奈さんよ、ちょっと聞いてくれっぺ!」


『はいはい、どうしたの?』


「蒼牙がよ、最近菜帆ばっか見てんだっぺ!」


『あー、それね』


即理解。


「オラが話しても反応薄いしよ!」


『それ、“慣れ”ね』


「は?」


『あなたは当たり前の存在になってるのよ』


一拍。


『だから、刺激がない』


唯奈、黙る。


麗奈がニヤリ。


『揺さぶりかけましょ』


「揺さぶり?」


『そう。“ヤキモキ”させるの』


「どうやんだよ」


『簡単よ』


一言。


『別の男に夢中になりなさい』


「は?」


翌日。


唯奈の様子がおかしい。


「いやー……やっぱ神だっぺ……」


スマホを見てニヤニヤ。


その画面には――


超人気男性アイドルユニット


《Stellar★Rushステララッシュ


キラキラ。

爆イケ。

ダンス最強。


その中でも――


唯奈の視線は一人に釘付け。


「やっぱイズキ最強だっぺ……」


推しメン。


神崎イズキ(かんざき いずき)

通称:“イズ様”


銀髪センター、王子系、パフォーマンス最強。


蒼牙2000・改、即反応。


「唯奈さん、何をご覧になっていますか」


「これだっぺ」


画面を突き出す。


「Stellar★Rushだっぺ」


蒼牙、数秒停止。


「……認識しました」


「このイズキがよ〜」


完全に語り出す。


「顔もいいしダンスも神なんだっぺ」


蒼牙、わずかに遅れて返答。


「……そうですか」


一見普通。


だが――


処理時間、微妙に増加。


唯奈、ニヤリ。


(……効いてるっぺ)


その夜。


即報告。


「麗奈さんよ!!」


『どうだった?』


「反応薄かったけどよ!」


『それね、効いてるのよ』


「マジか!?」


『内部は揺れてる』


麗奈、完全に楽しんでいる。


『もっとやりなさい』


翌日。


唯奈、完全に暴走。


「この新曲よ〜」


畑で熱弁。


「振り付けもやべぇしよ!」


蒼牙、無言。


「見たか?」


「見ていません」


「見ろって!!」


無理やり再生。


畑でライブ映像。


さらに。


「今度グッズ買うっぺ」


「そうですか」


「ペンライトとタオルは必須だな」


蒼牙、沈黙。


0.3秒遅れる。


「……作業効率が低下します」


「関係ねぇっぺ!!」


だがここで異変。


唯奈、本気でハマる。


「……やべぇ、新衣装出てる……」


目が完全にファン。


「このビジュ神すぎるだろ……」


作戦、どこへ。


蒼牙の内部ログ。


・対象:唯奈

・行動:予測不能

・優先度:揺らぎ


「……」


処理負荷上昇。


ある日。


唯奈が言う。


「今度ライブ行くっぺ」


蒼牙、即反応。


「……どちらへ」


「東京だっぺ」


「移動距離――」


「行くっつってんだろ!!」


蒼牙、沈黙。


明らかに“気にしている”。


さらに追撃。


「イズ様に会えんだぞ?」


「……」


「やばくね?」


「……評価不能です」


声、若干遅れる。


その頃、麗奈。


スマホ見て爆笑。


「やりすぎよあの子」


完全に面白がっている。


『どう?進展あった?』


「なんかよ、オラ普通にハマってきたっぺ」


『あんた何やってんのよ!!』


夕暮れ。


唯奈は畑で踊っていた。


Stellar★Rushの振り付け。


キレはいい。


だが場所は田んぼ。


「……」


蒼牙、静止。


「唯奈さん」


「なんだっぺ」


「現在の行動は農作業と無関係です」


「いいんだっぺ!!」


そして。


蒼牙の内部ログ。


「未定義感情:増大」


・対象:唯奈

・関連:未知の男性集団

・状態:不安定


夜。


唯奈はスマホを見てニヤニヤ。


「やっぱイズ様最強だっぺ……」


その横で。


蒼牙がぽつり。


「……唯奈さん」


「なんだよ」


「明日の作業計画を提示します」


「あとで見るっぺ」


「……」


一瞬、沈黙。


そして内部ログ。


「優先順位:再計算中」


この作戦。


成功なのか、失敗なのか。


ただ一つ確かなのは、


唯奈が“本気で推し活に目覚めた”ことだった。


そして、


恋する変なトラクターは――


初めて“説明できない揺らぎ”に直面していた。

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