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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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689/719

妙高ラブ・トラクション!? ― 田んぼで三角関係、会場大爆笑の収穫祭

新潟県妙高市。

澄んだ空気、雄大な山並み、そして見渡す限りの田園。


「ここが“農業の最前線エンタメ”か……」


会場には全国から人が集まり、最新農機と地域の力が融合した一大イベントが開催されていた。

スマート農業の実演、地元食材のブース、子ども向け体験コーナー。


さらにこの地は――


世界的イリュージョニスト・高田美雪を輩出した土地。


巨大スクリーンに映し出される。


「妙高市のみなさん、こんにちは!」


華やかなステージの中継。

世界公演の合間を縫ってのビデオメッセージ。


「この素晴らしい土地から、また新しい未来が生まれることを楽しみにしています」


会場、大拍手。


完全に“格が違う”。


「やっぱりすげぇな……」


美里が呟く。


「いやほんとに」


美紀も頷く。


そして今回の主役。


・本間菜帆

・山口唯奈

・ドリームトラクター蒼牙2000・改

・大宮麗奈(MC)

・森川美里

・松本美紀


豪華メンバー。


……だが。


開始前から、すでに異変が起きていた。


会場裏。


蒼牙2000・改が、妙に落ち着かない。


エンジンはかかっていない。

だが内部処理が忙しい。


「……現在地確認」


「周辺環境解析」


「対象人物検索」


完全にソワソワ。


唯奈が腕を組んで睨む。


「……おい」


無言。


「おいコラ」


「はい」


「何キョロキョロしてんだっぺよ」


「本イベントにおいて重要人物が到着予定です」


「……誰だよ」


一拍。


「本間菜帆さんです」


「はぁ?」


一瞬で空気が凍る。


「……そうかよ」


声が低い。


「楽しみなんだな」


「はい」


即答。


「……」


唯奈、無言で睨む。


その時。


「おー、来ましたねえ」


菜帆、登場。


風に揺れる髪、いつもののんびりした笑顔。


「久しぶりですー」


蒼牙、即応。


「菜帆さん、お久しぶりです」


声のトーンが、明らかに違う。


唯奈、ピクッと反応。


「……おい今の」


「通常応答です」


「ウソつけ!!」


イベント開始。


麗奈がステージに立つ。


「さあ皆さんお待たせしました!」


華やかな声。


「今日は妙高の大地から、未来の農業をお届けします!」


歓声。


「そして今日はなんと!」


間を取る。


「ちょっとした“恋の三角関係”も見られるかもしれません!」


「おい!!」


唯奈、裏で叫ぶ。


観客、大ウケ。


デモンストレーション開始。


菜帆が蒼牙2000・改を操縦。


完璧な走行。

滑らかな旋回。

精密な制御。


会場、大歓声。


「いやーすごいですねえ」


菜帆、にこにこ。


蒼牙、即レス。


「菜帆さんの操作が最適です」


唯奈、遠くから睨む。


「……は?」


さらに追い打ち。


「このルートは菜帆さんの判断が正確でした」


「ありがとうございますー」


完全に息が合っている。


唯奈の目、冷える。


「……」


麗奈、すかさずマイクで。


「いやー、息ぴったりですね!」


会場爆笑。


「長年連れ添ったパートナーみたい!」


「違ぇっぺ!!」


裏からツッコミ。


さらに笑いが起きる。


イベント終了。


拍手の中、ステージは大成功。


だが――


問題はここから。


控室。


静寂。


菜帆が笑顔で言う。


「いやー楽しかったですねえ」


唯奈、無言。


「蒼牙も調子良かったですし」


「……そうだな」


低い声。


空気が変わる。


美里と美紀、そっと距離を取る。


「……ちょっと外出ようか」


完全に察知。


二人きり。


「なあ」


唯奈が口を開く。


「なんでそんな息合ってんだっぺよ」


菜帆、きょとん。


「え?」


「いや普通に操作しただけですよ?」


「普通じゃねぇべ!!」


声が大きくなる。


「なんか楽しそうだったな!」


「楽しかったですよ?」


完全に悪気なし。


これが一番効く。


そこへ。


蒼牙、追撃。


「本日の最適操縦者は菜帆さんです」


「……」


唯奈、静止。


「は?」


「データ上の結果です」


「……」


沈黙。


そして――


「うるせぇぇぇ!!」


爆発。


麗奈、外から覗きながら笑う。


「修羅場ね」


美里、苦笑。


「昼ドラじゃん」


その頃。


菜帆はまだ首をかしげていた。


「……何が怒らせたんですかねえ」


本気で分かっていない。


夕暮れの妙高。


イベントは大成功。


だが裏では、


・拗ねる唯奈

・無自覚の菜帆

・空気読まない蒼牙


三者三様で火種が拡大中。


そして麗奈が一言。


「これ、まだまだ荒れるわね」


ニヤリと笑う。


こうして、


妙高の大地で育ったのは、


新しい農業だけではない。


こじれた三角関係も、しっかり“収穫”されたのだった。

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