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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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「トラクターに恋する女!? ― 田んぼの昼ドラ・耕作ラブバトル

新潟の田んぼには、時々とんでもないドラマが生まれる。

それは風が吹くからでも、米が実るからでもない。


原因は――


トラクターである。


正確には、


蒼牙2000・改。


AI搭載の最新型農業トラクター。


そしてこの機体をめぐって、いま


妙な三角関係が成立していた。


登場人物は三人……いや、


二人と一台。


常陸太田のトラクター操縦者

山口唯奈


新潟スマートファームの女王

本間菜帆


そして


蒼牙2000・改。


発端は単純だ。


蒼牙2000・改が


やたらと菜帆を褒める。


「菜帆さんの農業理論は合理的です」


「菜帆さんの判断は理想的です」


「菜帆さんは日本農業の未来です」


それを聞くたび、唯奈は腕を組む。


「またそれだっぺ」


その様子を横で見ている人物がいる。


大宮麗奈。


戦隊ヒロインの先輩。

現役イベントコンパニオン。

恋愛戦績、数知れず。


麗奈はこの状況を見て思った。


(面白い)


非常に面白い。


普通の三角関係ならよくある。


しかし今回は


トラクター。


麗奈はカフェでコーヒーを飲みながら言う。


「唯奈」


「昼ドラの基本知ってる?」


唯奈


「知らねえ」


麗奈


「三角関係」


唯奈


「知ってる」


麗奈


「でも今回」


「人間二人」


「トラクター一台」


唯奈


「そこ強調すんな!」


麗奈は笑いが止まらない。


「いや」


「こんな恋愛初めて見た」


しかし麗奈は唯奈の味方だった。


唯奈は真面目で素直な後輩。


だから応援する。


「安心して」


「百戦錬磨の麗奈先輩がついてる」


唯奈


「ほんとか?」


麗奈


「恋愛は戦争」


「しかも今回は」


農業機械戦争。


唯奈


「なんだそれ」


一方その頃。


新潟では菜帆が田んぼを見ていた。


遠くで蒼牙2000・改が通信する。


「菜帆さん」


「今日の土壌水分は最適です」


菜帆


「ありがとうございます」


しかし最近、菜帆も少し気になっている。


蒼牙はなぜか


やたらと自分を評価する。


「あなたの農業判断は理想的です」


「あなたの農業思想は合理的です」


そこまで言われると、


さすがに少し気になる。


菜帆はぽつりと言う。


「……なんで私なんだろ」


その横で農家のおばあちゃんが言う。


「トラクターに好かれる農家は一流だ」


妙な名言である。


その頃、常陸太田では唯奈が腕を組んでいた。


「蒼牙」


「オラが一番の操縦者だっぺ」


蒼牙2000・改


「操縦技術は非常に優秀です」


唯奈


「だろ?」


しかし蒼牙は続けた。


「ただし」


「農業理論は」


「菜帆さんが上です」


唯奈


「おい」


その様子を見ていた麗奈は腹を抱えて笑う。


「唯奈」


「トラクターに負けてる」


唯奈


「負けてねえ!」


麗奈


「でもさ」


「菜帆は農業理論」


「唯奈は操縦」


「完全に役割分担」


唯奈


「……」


麗奈


「昼ドラ的には」


「最高の展開」


唯奈


「楽しんでんじゃねえ!」


麗奈はニヤニヤしている。


「だってさ」


「普通の恋愛」


「飽きた」


そして麗奈は言った。


「この恋」


「最後どうなると思う?」


唯奈


「知らねえ」


麗奈


「私の予想」


少し笑う。


「トラクターが一番モテる」


唯奈


「それはねえ!」


夕暮れの田んぼ。


菜帆は蒼牙と農業の話をしている。


唯奈は腕を組んでいる。


麗奈はニヤニヤしている。


恋なのか。

評価なのか。

農業なのか。


誰にも分からない。


ただ一つ確かなことは――


この


妙な昼ドラ三角関係


まだまだ終わらない。


むしろ、


これからが本番なのであった。

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