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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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67/444

隼人司令補佐官、恋と任務と“嫉妬するヒロインたち”──恋も任務も、会議室で静かに動き出す

大阪府内・戦隊ヒロインプロジェクト会議室。

昼下がり、まったりした空気の中でも、ヒロイン達の視線だけはやたら鋭い。


なぜなら――

イケメン司令補佐官・藤堂隼人が今日も爆誕しているからだ。


白シャツの袖を軽くまくって資料を整理する仕草ですら、どこかトレンディードラマ感を醸し出す。

しかも、隼人は誰に対しても丁寧語。

ヒロインたちにも下の名前で「さん」付けで話す。


そりゃあ胸キュンしないわけがない。


◆嫉妬の会議室、薄い昼ドラの香り


美月

「隼人さん……今日も爽やかやなぁ……」


彩香

「ほんま、ちょっとだけドキッとしたわ。

 ……ちょっとだけ、な?」


綾乃

「どこから見ても“昼ドラの優等生役”どす」


後ろで見ていたあかりは単純に感動していた。

「めっちゃカッコええなぁ、お兄さんみたいやぁ!」


麻衣

「うちなんか心臓ドキドキしてきたわ……」


「まぁ……しゃあないわ。モテる男ってこういうもんや。知らんけど」


しかし、みんな分かっている。

隼人と遥広報官は昔から特別。

 友達以上、恋人未満の同期組。


そしてこのプロジェクトには、とても大事な決まりがある。


◆戦隊ヒロイン憲章


「青少年の夢をこわしてはならない」


この一文の重さを、ヒロイン全員が理解していた。


美月

「ヒロインが恋愛しとるとかバレたら、ちびっ子泣くからなぁ……」



綾乃

「世間は厳しいどす。

 ちょっと前にもあったやろ、スーパー戦隊のヒロイン降板騒動」


彩香

「なんやっけ……週刊誌に撮られたとかで……

 まぁ……不憫やったな。」


あかり

「四日市でもニュースになっとったで!

 “ヒロイン失速”とか書かれてて可哀想やったわ!」


麻衣

「うちも見た……あれは辛いわぁ」


◆その時――隼人の声。


「皆さん。

 僕は、遥さんとは“公私ともに信頼できる同期”でしかありません。

 ご心配をおかけしているなら、申し訳ありません」


この言葉に、ヒロイン達は胸を押さえた。


美月

「誠実……!」


彩香

「こんな真っ直ぐな男おるんか……!」


綾乃

「昼ドラやのに、誠実どす……逆に珍しいパターンどすえ」


しかし、隼人は続ける。


「ただ、僕は皆さんの活動を何よりも大事にしたい。

 青少年の夢を守るのは、僕たち大人の責任です」


この一言で、ヒロイン達の嫉妬は音を立てて溶けた。


◆そこへ“気づいていない女”、遥広報官が到着。


「おはよう。今日の会議資料、隼人くんが全部まとめてくれて――え、みんな何その顔?」


綾乃

「遥さん……。

 ええ男はええ女が似合うって言いますわ……」


美月

「ここ、昼ドラの撮影現場ちゃうで!?」


彩香

「お前らの“再会ラブ”見せつけられたら、こっちは困るんや!」


あかり

「なんかドキドキする〜!」


麻衣

「胸がキュンキュンするぅ……」


「ちょっと!? なにその“昼ドラ視聴者の空気”!!」


隼人は柔らかく笑いながら――

遥に向き直る。


「遥さん。今日もよろしくお願いします」


「……う、うん……こちらこそ」


ヒロイン達

「キャーー!! 昼ドラ!!」


◆そして波田司令長官


廊下からこの騒ぎを聞いていた波田司令長官は

ニヤッと笑って呟く。


「……ええこっちゃ。

 若いってのはこうでなきゃな」


しかしその直後、真顔で言い放つ。


「ただしだな……

 恋愛にうつつを抜かれて職務に支障が出るようなら――俺が直々にどやしつけるからな」


会議室

「……はい!!」


こうして会議室は、任務そっちのけで昼ドラさながらの空気に包まれた。

けれど不思議と誰も反対せず、むしろ温かく見守っている。

止まっていた二人の距離は、ようやく静かに動き出した

――そんな“いい感じ”の予感だけを残して、会議はゆるく散会していった。


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