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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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泥だらけのヒロインたち ― 南魚沼・田植え大騒動

新潟県南魚沼市。

魚沼盆地の中心に位置するこの土地は、日本でも屈指の米どころである。いや、正確に言えば――


日本最高峰の米どころ。


日本人なら一度は耳にするブランド。


魚沼コシヒカリ。


昼夜の寒暖差、豊富な雪解け水、肥沃な土壌。

自然条件が奇跡的にそろったこの地域では、米がまるで芸術品のように扱われる。


そんな場所で開催されたのが、戦隊ヒロインプロジェクトの地域創生イベント。


「ヒロイン田植えチャレンジ」


テーマはシンプルだ。


都会女子は泥に勝てるのか。


参加メンバーはなかなか豪華である。


スマートファームの女王

本間菜帆


トラクター操縦者

山口唯奈


そして頼れる相棒

蒼牙2000・改


さらにヒロイン陣


・館山みのり

・月島小春

・大宮麗奈

・柏木理世


指南役は当然、


菜帆と唯奈。


朝の南魚沼。

山の空気は冷たく、田んぼには水が張られている。


都会ヒロインたちは田んぼの前で立ち止まった。


理世が言う。


「……」


「これ」


「本当に入るんですか?」


菜帆は笑顔で言う。


「はい」


「ここに入ります」


麗奈が言う。


「ちょっと待って」


「この靴」


「ブランドなんだけど」


唯奈が言う。


「脱げばいいっぺ」


理世


「そういう問題じゃない」


みのりと小春はすでに覚悟を決めていた。


「行こう」


「行くしかない」


そして


田んぼに突入。


次の瞬間。


ぐちゅ。


理世


「きゃあああああ!」


麗奈


「ちょっと待ってこれ!」


「沈む!」


小春


「足が抜けない!」


みのり


「思ったより深い!」


完全にパニックである。


田んぼの端で唯奈が腕を組む。


「まだ始まってねえぞ」


菜帆は優しく説明する。


「苗はこうやって持って」


「まっすぐ植えるんですよ」


すると遠くから機械音が聞こえる。


ブオオオオ。


井坂農装の


田植え機。


最新型である。


蒼牙2000・改が静かに言う。


「この田植え機は」


「頼りになりますよ」


「私の仲間です」


完全に宣伝である。


麗奈が言う。


「スポンサー案件?」


蒼牙2000・改


「事実を述べただけです」


そんな会話をしているうちに、ヒロインたちの田植えは続く。


しかし。


三十分後。


結果はこうなった。


全員


泥だらけ。


理世の顔に泥。

麗奈の髪に泥。

小春は膝まで泥。

みのりはなぜか背中まで泥。


理世が言う。


「ありえない」


麗奈


「これ」


「美容に悪い」


唯奈が笑う。


「米は美容にいいぞ」


菜帆は優しく言う。


「でも」


「楽しいでしょ?」


理世は少し考える。


「……」


「まあ」


「ちょっとだけ」


麗奈も笑う。


「確かに」


「意外と悪くない」


こうして田植えイベントは、


大成功。


夕方。


田んぼの横でヒロインたちが休んでいる。


蒼牙2000・改が静かに言う。


「菜帆さん」


「今日の指導」


「素晴らしかったです」


菜帆


「ありがとうございます」


蒼牙2000・改


「あなたは」


「日本農業の未来です」


その言葉を聞いて、


遠くで腕を組む人物がいる。


唯奈。


麗奈が近づく。


「また嫉妬?」


唯奈


「してねえ」


麗奈


「顔がしてる」


唯奈


「してねえっぺ!」


蒼牙2000・改が続ける。


「もし私が」


「人間なら」


「菜帆さんの農場で働きたい」


唯奈


「おい」


麗奈


「完全に告白じゃん」


蒼牙2000・改


「違います」


「農業評価です」


唯奈


「ほんとかよ」


南魚沼の夕暮れ。


黄金色になる未来の田んぼを前に、


ヒロインたちとトラクターの


妙な三角関係


は今日も続いていくのであった。

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