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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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米を救え! ―蒼牙2000・改、国家農政に口出しする夜

常陸太田の夜は静かだ。


山の空気は冷たく、遠くでフクロウが鳴き、田んぼの水路がかすかに流れている。

そんな山里の一軒、築百年以上の山口家の日本家屋の居間では、囲炉裏の火を囲んで妙な会議が開かれていた。


参加者は四人。


孤高のシロガネーゼ、柏木理世。

機械工学の鬼、太田すみれコーチ。

理系スピリチュアル担当、稲生明日香。

そしてこの家の主、農家ヒロイン山口唯奈。


そしてもう一人――いや一台。


納屋に停められている

ドリームトラクター蒼牙2000・改が、リモート通信で会議に参加している。


囲炉裏の横のタブレットから声が響く。


「議題を提案します」


四人は顔を上げる。


蒼牙2000・改は淡々と続ける。


「日本農業について」


囲炉裏の火がパチッと鳴る。


理世が腕を組む。


「壮大ですね」


蒼牙2000・改は言う。


「まず重要な指摘があります」


「日本の米生産データが不足しています」


沈黙。


唯奈がぽつりと言う。


「それ」


「トラクターが言う話か?」


すみれコーチが顎に手を当てる。


「いや…」


「意外と核心かもしれない」


蒼牙2000・改は続ける。


「日本農業の中心は米です」


「しかし」


「農業従事者は減少しています」


明日香が頷く。


「魂の危機です」


蒼牙2000・改はさらに言った。


「分析結果を報告します」


「米価安定のためには増産が必要です」


囲炉裏の火が静かに燃える。


「そのためには」


「AI技術による農作業軽減」


「そして」


「後継者育成が必要であると考えます」


沈黙。


四人は顔を見合わせる。


唯奈が腕を組む。


「確かに」


「畑やる人」


「減ってる」


理世は真面目な顔になる。


「日本の農業人口は」


「この30年で半減しています」


すみれコーチが言う。


「平均年齢」


「67歳よ」


明日香が静かに言う。


「魂の高齢化です」


唯奈が笑う。


「その言い方やめろ」


しかし空気は少し重かった。


蒼牙2000・改は続ける。


「農業AIは」


「人手不足を補う可能性があります」


理世が頷く。


「つまり」


「農業革命」


すみれコーチが言う。


「AI農業ね」


明日香は静かに言う。


「文明の転換です」


唯奈が囲炉裏の火を見ながら言う。


「でもな」


「畑は」


「データだけじゃ出来ねぇ」


蒼牙2000・改はすぐ答える。


「その通りです」


「だからこそ」


「人間とAIの協力が必要です」


囲炉裏の火が大きく燃える。


理世は静かに言った。


「……これは」


「大きな問題ですね」


すみれコーチも頷く。


「国家レベル」


明日香も言う。


「魂レベル」


そして四人は同時に思い出す。


戦隊ヒロインプロジェクトの理念。


地域創生。


地方の力を取り戻すこと。


人と土地をつなぐこと。


理世は立ち上がる。


「この問題は」


「看過できません」


すみれコーチも立つ。


「同感」


明日香も頷く。


唯奈は笑う。


「面白くなってきたっぺ」


蒼牙2000・改は静かに言った。


「提案があります」


「農業データの全国収集」


「農業AIネットワーク」


理世が言う。


「つまり」


「農業イベント」


すみれコーチが笑う。


「それ」


「いいわね」


囲炉裏会議は夜遅くまで続いた。


こうして、


常陸太田の山里から

AI農業革命の計画が始まった。


そして数日後。


場面は変わる。


東京、新橋。


戦隊ヒロインプロジェクト本部――


通称 ヒロ室。


ミーティングルームでは、


すみれコーチと理世がホワイトボードの前に立っていた。


理世が言う。


「新潟」


すみれコーチが頷く。


「米どころ」


理世はホワイトボードに大きく書いた。


AI農業フォーラム


すみれコーチが笑う。


「農業イベントね」


理世は真剣な顔だ。


「日本の農業の未来がかかっています」


すみれコーチは肩をすくめる。


「トラクターに説教されて」


「ここまで話が大きくなるとはね」


理世は少しだけ笑った。


「確かに」


そして新橋の窓の外には、都会の夜景が広がっている。


しかし今、彼女たちの頭の中にあるのは――


田んぼ。

農村。

米。


そして、


一台のAIトラクター。


こうして


蒼牙2000・改によるAI農業革命


が、


静かに動き始めたのであった。

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