隼人司令補佐官、救世主すぎて逆に怖い──まさにゃん比較でわかる“光と闇”
大阪府内の西日本司令室。
いつもなら穏やかなはずの空気が、今日も例によってザワついていた。
理由は単純だ。
美月と彩香の “エビフライのしっぽ戦争” が勃発していたからだ。
「しっぽはカリカリで食べるのが至高やって言うてるやろ!」
「アホちゃうん!? 食べへん派の気持ちも考えぇや!」
机を叩き、小学生でももう少し建設的な議論をするだろうと思えるレベルの争い。
そんな修羅場で、すっと割って入ったのが隼人司令補佐官だった。
「美月さん、彩香さん。どちらの意見も理解できますが……」
声は穏やか、表情は柔らかい。
しかし、不思議と空気がスッと凪いだ。
「しっぽは食べても、残しても構いません。
なぜなら、この議題の主語は“好み”であって“正義”ではありませんから」
美月「……あれ?」
彩香「……なんか負けてへん気になってきた」
綾乃「いまの言い方……尊いわ……」
あっという間に鎮火。
この二人を黙らせるなんて、波田司令長官ですらできない芸当だ。
その直後、まさにゃんが会議を仕切り始めた。
もちろん嫌な予感しかしない。
「えー、今回わたくしども戦隊ヒロインプロジェクト西日本チームはですね、
大阪から神戸へ、いわゆる“移動”というものを執り行う必要性がありまして……」
すでに長い。
誰もが覚悟を決めた瞬間、隼人がスッと前に出た。
「補足させていただきます。今回は阪急電車を利用します。以上です」
10秒で終わった。
美月「はっ、はやっ!!」
彩香「隼人さん……神か?」
綾乃「まさにゃんの説明、半分くらい削られましたなぁ……」
そしてまさにゃんは、蚊帳の外でポツンと立ち尽くした。
ヒロインたちは自然と隼人を囲んだ。
美月「隼人さんって……ホンマ、有能の塊やな!」
彩香「まさにゃんとは月とスッポン……いや、惑星とイソギンチャクくらい違うで」
綾乃「ほんまに頼れるお方どす。まさにゃんは……まぁ、うん……空気やし」
隼人は照れくさそうに笑った。
「皆さんのお手伝いをするのが、僕の役目ですから」
その言葉に、司令室の空気が一瞬だけドラマみたいにキラキラした。
……まさにゃんだけを除いて。




