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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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ロッキーの風の秘密 ― エミリーとエミリーパパ、そしてトップシークレット

戦隊ヒロインの中でも、ひときわ派手な活躍で人気を集めているヒロインがいる。

アメリカ出身の風の戦士――ロッキーの風・エミリー・ハートだ。


ビルの階段を三段飛ばしで駆け上がり、地下通路を全力疾走し、ぬかるんだ畑でも速度を落とさない。

その身体能力は、他のヒロインたちから見ても明らかに規格外だった。


ある任務のあと、小春が息を切らしながら言った。


「ちょっと待ってエミリー……なんでそんな速いの!」


エミリーは笑った。


「ロッキーだから」


小春

「それ説明になってない!」


みのりが冷静に分析する。


「身体能力が高いのは事実ですが……筋力だけでは説明がつきません」


理世が腕を組む。


「運動エネルギーの減衰が少なすぎる」


「何か着ている」


小春

「また理世の理屈!」


実は理世の推測は半分当たっていた。


エミリーは戦闘服の下に、ある特殊素材のインナーを着用している。


その名は――


ブロンズ・ベクター。


衝撃吸収、運動補助、疲労軽減などを兼ね備えた次世代素材で、着用者の身体能力を大きく引き出すことができる。


ただし、この素材はまだ研究段階のプロトタイプ。

存在自体がトップシークレットであり、ヒロ室スタッフの一部しか詳しいことを知らない。


そしてその開発に関わっている人物がいる。


エミリーの父。


MIT卒、NASA勤務経験あり、日米共同研究に関わるエリート科学者。


――なのだが。


本人はそんな雰囲気をまったく出さない。


イベント会場に現れると、観客から声が飛ぶ。


「エミリーパパ!」


すると満面の笑みで手を振る。


「Yes!エミリーパパ!」


ヒロインたちもすっかりその呼び方で慣れていた。


小春

「エミリーパパ来た!」


ジョナサン・ハート博士――通称エミリーパパは、陽気な笑顔でヒロインたちに手を振った。


「コハル!」


「ミノリ!」


「ミズキ!」


「Nice running!」


小春

「ファーストネーム呼びだ!」


みのり

「アメリカ式ですね」


理世

「博士」


「一つ質問があります」


エミリーパパ

「Yes?」


理世

「エミリーの装備について――」


その瞬間。


エミリーパパは満面の笑みで言った。


「トップシークレット!」


「HAHAHA!」


理世

「……」


小春が笑う。


「またそれ!」


エミリーも笑う。


「Dadそれ好き」


理世は諦めない。


「素材は何ですか」


エミリーパパ

「Special material!」


理世

「具体的には」


エミリーパパ

「Top secret!」


小春

「進展ゼロ!」


そこへ唯奈が口を挟んだ。


「でもいいなぁ」


小春

「何が?」


唯奈

「爆発しない装備」


小春

「爆発?」


唯奈

「オラの装備、五回爆発したべ」


みのり

「五回ですか」


理世

「そんな装備着る方が問題です」


唯奈

「諏訪精巧機電研究所の玲さんが作ったんだべ」


小春

「週末ヒロインの玲さん!?」


唯奈

「一回倉庫の壁吹き飛んだ」


小春

「それニュース!」


エミリーパパは驚いた顔をした。


「Five?」


唯奈

「五回」


エミリーパパ

「That is problem」


理世

「大問題です」


その横でエミリーはのんきに言う。


「ブロンズ・ベクターは爆発しない」


唯奈

「羨ましいべ……」


小春

「装備で羨ましがるヒロイン初めて見た」


エミリーパパはヒロインたちを見渡して言った。


「キミたちもエミリーみたく走れるようになるかもよ」


小春

「ほんと!?」


理世

「素材の構造は?」


エミリーパパ

「トップシークレット!」


「HAHAHA!」


小春

「まただ!」


エミリー

「Dad same」


理世は小さく呟いた。


「絶対何かある」


みのりは静かに言う。


「守秘義務があります」


小春

「そうだった」


その頃、少し離れた場所で蒼牙2000・改が静かにエンジンを鳴らしていた。


AIはブロンズ・ベクターの構造を完全に理解している。


しかし。


何も言わない。


理世

「解析できる?」


蒼牙

「可能です」


理世

「説明して」


蒼牙

「機密事項です」


理世

「……」


小春は腹を抱えて笑っていた。


「秘密だらけ!」


その中心で、エミリーはいつもの笑顔で言った。


「ロッキーの風は速い」


そしてエミリーパパも笑った。


「Yes!」


「Very fast!」


こうして、最先端科学を作る父と、それを体現する娘は――


今日も陽気に

戦隊ヒロインプロジェクトを支えているのだった。

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