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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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646/685

ドリームトラクターはすべて見ていた ― 天王洲アイル倉庫街チェイス

東京湾岸、天王洲アイル。

かつては倉庫と運河に囲まれた物流の街だったが、今ではおしゃれなレストランやアートギャラリーが並ぶ都会的なウォーターフロントへと姿を変えている。運河沿いにはカフェテラスが並び、夜になれば高層ビルの灯りが水面に映り、まるで海外の港町のような雰囲気だ。


……そんな洗練された街の裏側には、まだ巨大な物流倉庫が並ぶエリアが残っている。


そしてその倉庫街で事件が起きた。


研究データを盗んだ産業スパイが、コンテナ倉庫地帯へ逃げ込んだのだ。


ヒロ室に出動命令。


今回のメンバーは


エミリー・ハート

柏木理世

月島小春

館山みのり

そして


山口唯奈が操縦する

ドリームトラクター 蒼牙2000・改


天王洲の倉庫街に到着すると、蒼牙2000・改のエンジンが静かに唸った。


低く、しかしどこか優雅な声が響く。


「エミリーさん、現地到着です」


「小春さん、右側に倉庫通路が確認できます」


まるで執事。


小春が笑う。


「AIトラクター今日もイケボ!」


唯奈が操縦席から顔を出す。


「よーし蒼牙、今日は派手にいくべ!」


蒼牙2000・改は丁寧に答える。


「唯奈さん、安全第一でお願いいたします」


その横で理世が腕を組んでいた。


「今回の作戦は私が立案します」


小春。


「また理世の頭脳プレー」


理世はタブレットを広げる。


「犯人はこの倉庫エリアを逃走しています」


地図を指す。


「みのりと唯奈は外周封鎖」


「蒼牙2000・改は追跡支援」


「小春は中央連絡」


そして。


「エミリー」


「あなたはこのルートを担当してください」


そのルートは――


遠回り。


小春が言う。


「それ遠くない?」


理世はクールに答える。


「安全なルートです」


しかし理世の心の中では。


(ここでエミリーが遅れる)


(最終確保は私)


(つまり功績は私)


完璧な計算だった。


追跡開始。


犯人が倉庫の間を走る。


小春が叫ぶ。


「右!」


エミリーが走る。


コンテナの間を軽快に駆け抜ける。


その途中。


フェンス。


普通なら回り道。


しかしエミリーは――


飛び越えた。


蒼牙2000・改が淡々と報告する。


「エミリーさん、フェンス突破」


唯奈。


「うおっ!」


エミリーはコンテナをよじ登り、


ショートカット。


数分後。


犯人は倉庫の陰で捕まった。


確保。


任務成功。


小春が叫ぶ。


「やったーー!!」


エミリーとハイタッチ。


パン!


「ナイスチェイス!」


「ナイスジャンプ!」


二人は大はしゃぎ。


唯奈も降りてくる。


「すげぇべ!」


蒼牙2000・改も言う。


「任務成功です。皆さんお見事です」


みのりも微笑む。


「素晴らしい連携でした」


チームは輪になって喜ぶ。


しかし。


その輪の外。


理世だけが腕を組んでいた。


クール。


完璧にクール。


その時。


蒼牙2000・改が言った。


「理世さん」


理世。


「何ですか」


蒼牙2000・改。


「今回のルートには意図的な遠回りが含まれていました」


小春。


「え?」


蒼牙2000・改。


「エミリーさんを不利にする可能性があります」


「姑息な手段はお控えください」


静まり返る。


理世。


「……」


そして言った。


「ただの農機であるトラクターなんかに言われたくありません」


小春。


「言った!」


蒼牙2000・改。


「私は太田すみれさんと稲生明日香さんによって最新AIを搭載されています」


理世。


「トラクターです」


蒼牙2000・改。


「多目的作業支援車両です」


理世。


「農機です」


唯奈。


「ケンカすんな!」


小春爆笑。


「AIと人間の口論!」


エミリーが笑う。


「まあまあ」


そして理世に言う。


「作戦よかった」


理世。


「……そうですか」


エミリーは続ける。


「ルートが分かりやすかった」


「おかげでショートカットできた」


理世の奥歯。


ギリギリギリ。


蒼牙2000・改が記録する。


「理世さん、精神状態:苛立ち」


小春。


「AIに全部バレてる!」


みのりが言う。


「どうやら相性が良くないようですね」


その通りだった。


最新AI搭載の蒼牙2000・改と


白金の才女・柏木理世。


この二人はどうやら――


致命的に相性が悪い。


その頃。


天王洲アイルの運河には夜景が映り始めていた。


ロッキーの風は今日も爽やかに吹き、


その横で


ドリームトラクターとシロガネーゼが口論していた。

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