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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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644/681

議事堂より高いプライド ― 鉄壁のシロガネーゼとロッキーの風、永田町大騒動

東京・永田町。

国会議事堂を中心に、政党本部や官庁関連施設が並ぶ日本政治の心臓部である。普段は静かな街だが、ひとたびデモが起きれば空気は一変する。警察車両が並び、警備ラインが張られ、ニュースカメラが集まり、街は一気に“政治の最前線”へと変わる。


その永田町で、大規模デモが発生した。


一部の過激な参加者が議事堂周辺へ突入する恐れがあり、警備支援としてヒロ室に出動命令が下る。


今回の任務メンバーは


エミリー・ハート

月島小春

柏木理世

館山みのり

大宮麗奈


現地に到着すると、小春が議事堂を見上げて言った。


「うわー、テレビで見る場所だ!」


麗奈も感心する。


「さすがに緊張感がありますね」


みのりは周囲を観察する。


「デモ隊は南側通りに集中しています」


その時だった。


理世が静かに前へ出る。


そして言った。


「今回の作戦は私が立案します」


小春がニヤニヤする。


「お、来た来た理世の頭脳プレー」


理世は堂々と説明を始める。


「議事堂周辺では“守り”が重要です」


「防衛ラインを維持することが最優先」


そして続けた。


「私は“鉄壁のシロガネーゼ”と呼ばれています」


小春が小声で言う。


「自分で言うタイプなんだ」


理世は気にしない。


むしろ今日は自信満々だった。


守りの任務。

防衛戦術。

ラインコントロール。


これは理世の得意分野である。


理世は作戦を提示する。


「みのりと麗奈は側面封鎖」


「小春は機動支援」


そして。


「エミリー」


「あなたは中央監視です」


小春が言う。


「え、それだけ?」


理世は平然。


「最も安全な配置です」


しかし理世の心の中では。


(中央監視なら目立てない)


(もし混乱すれば私が防ぐ)


(つまり功績は私)


完璧な計算だった。


だが。


デモ隊の一部が突然動いた。


「突っ込めー!」


警備ラインへ走り出す。


小春が叫ぶ。


「来た!」


その瞬間。


エミリーが一歩前へ出る。


「OK」


ブロンズの髪が風に揺れる。


エミリーは群衆の前に立つ。


そして、落ち着いた声で言った。


「落ち着いて」


英語と日本語を混ぜながら。


「ここは議事堂」


「暴れる場所じゃない」


その声は不思議とよく通る。


デモ参加者が一瞬止まる。


その隙に。


エミリーが警備ラインを整理。


さらに誘導して群衆の動きを分散させる。


まるで映画のヒーロー。


カメラが一斉にエミリーを撮る。


小春が叫ぶ。


「また主人公ポジション!」


みのりが言う。


「見事な制圧です」


麗奈も笑う。


「ニュース映像は全部エミリーですね」


数分後。


デモは完全に鎮静化。


任務成功。


小春が飛び跳ねる。


「やったー!」


エミリーとハイタッチ。


パン!


「ナイスディフェンス!」


「ナイスヒーロー!」


二人はいつものように大はしゃぎ。


麗奈も笑う。


みのりも拍手。


チームの輪ができる。


しかし。


その輪の外。


理世だけが腕を組んでいた。


表情はクール。


完璧にクール。


しかし心の中。


(中央監視で英雄になるとは何ですか)


(作戦の意味がありません)


(理解不能です)


その時。


エミリーが理世の方へ歩いてくる。


「理世」


理世。


「はい」


エミリーは満面の笑み。


「作戦よかった!」


理世。


「……そうですか」


エミリーは続ける。


「守りが安定してた」


「おかげで動けた」


理世の奥歯。


ギリギリギリ。


小春がみのりに小声で言う。


「理世またぐぬぬしてる」


みのりが静かに答える。


「競争は成長を生みます」


その頃。


ニュースカメラの記者が話していた。


「今日のヒーローは金髪の女性ですね」


「まるで映画の主人公みたいだ」


遠くでエミリーが笑っている。


小春とハイタッチしながら。


その姿を、理世は腕を組んで見ていた。


そして小さく呟く。


「……派手すぎます」


だがその瞬間。


背後から声。


「理世」


振り向く。


エミリーだった。


「次の作戦も一緒に考えよう」


理世は一瞬黙る。


そして。


「……ええ」


とだけ答えた。


その顔は相変わらずクールだった。


しかしヒロ室の全員が知っている。


この“鉄壁のシロガネーゼ”が、


次の作戦でまた何か企んでいることを。

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