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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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641/680

渋谷メトロ迷宮事件 ― ロッキーの風エミリーと理世のラビリンス計画

東京・渋谷。

日本でも屈指の繁華街であり、世界中の観光客が集まる街だ。巨大スクランブル交差点、若者文化の発信地、そして近年は再開発によって高層ビルが次々と誕生している。


しかしこの街には、もう一つ有名なものがある。


渋谷駅の迷宮。


地下鉄、私鉄、JR、地下通路、工事中の通路、仮囲い、臨時階段――

改札を出た瞬間、どこへ行けばいいのか分からなくなる巨大地下迷路である。


「日本一の迷子製造機」とも言われている。


そしてその迷宮で事件が起きた。


企業機密を盗んだ産業スパイが地下通路へ逃げ込んだのだ。


ヒロ室に出動命令。


今回のメンバーは


エミリー・ハート

月島小春

柏木理世

館山みのり

大宮麗奈


現場到着。


地下通路の入り口を見た小春が言った。


「うわぁ……」


「これ絶対迷うやつ」


麗奈が苦笑する。


「ここは地元民でも迷いますよ」


みのりが静かに言う。


「合理的な作戦が必要ですね」


その瞬間、理世が前に出た。


「作戦は私が立てました」


小春がニヤリ。


「来た来た、理世の頭脳プレー」


理世はタブレットを開いた。


渋谷地下構造図。


だがその図は――


意味不明。


小春が言う。


「これ地図なの?」


理世は平然。


「渋谷駅地下構造の最新版です」


「犯人はこの地下メトロ通路を通って東側出口へ逃げる可能性があります」


そして役割分担を指示する。


「みのりと麗奈は東出口封鎖」


「小春は中央連絡通路」


そして。


「エミリー」


「あなたはこのルート」


表示されたルートは。


遠い。


さらに


・工事中通路

・仮設階段

・地下街


という超迷宮コース。


小春が言う。


「それ遠回りじゃない?」


理世はクールに答える。


「安全なルートです」


理世の心の声。


(ここで確実に迷う)


(犯人確保は私の部隊)


(つまり手柄は私)


完璧な計算だった。


その頃。


犯人は地下通路を走っていた。


「よし、この迷宮なら逃げ切れる!」


しかし。


通路の先に――


金髪の女性。


ブロンズの髪が地下灯りに光る。


犯人。


「なっ!?」


そこに立っていたのは


エミリー。


エミリーは笑った。


「渋谷、面白い迷路だね」


犯人は叫ぶ。


「なんで先回りしてる!?」


エミリーは肩をすくめる。


「ロッキーのトレイルより簡単だったよ」


犯人確保。


数分後。


小春たちが合流した。


小春が叫ぶ。


「え!もう捕まえた!?」


麗奈が驚く。


「速いですね!」


みのりも頷く。


「さすがです」


小春がエミリーに飛びつく。


「やったー!」


エミリーとハイタッチ。


パン!


「ナイス迷路突破!」


「いいランニング!」


二人は大はしゃぎ。


麗奈も笑う。


「これは盛り上がりますね」


みのりも微笑む。


「見事な連携でした」


ヒロ室チームは一つになって喜んでいる。


しかし。


その輪の外で。


理世だけが腕を組んでいた。


表情はクール。


完全にクール。


しかし心の中。


(なぜ迷わないんです)


(どうやってショートカットしたんです)


(理解不能です)


その時。


エミリーが理世に近づいた。


「理世」


理世。


「はい」


エミリーは満面の笑み。


「作戦よかった!」


理世。


「……そうですか」


エミリーは続ける。


「ルート分かりやすかった」


「おかげで先回りできた」


理世の奥歯。


ギリギリギリ。


小春が小声で言う。


「理世またぐぬぬしてる」


麗奈が笑う。


「珍しいですね」


みのりは静かに言う。


「良いチームになっています」


渋谷地下迷宮。


今日も世界中の人間が迷っている。


だがその迷宮の中を。


ロッキーの風は軽やかに駆け抜けていた。


そして白金の孤高は――


今日も静かに歯ぎしりしていた。

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