ロッキーの風は雪も味方!北アルプス救出大作戦
長野県西部にそびえる北アルプス。
槍ヶ岳、穂高岳、白馬岳など、日本屈指の高峰が連なる山岳地帯であり、その景観は「日本の屋根」と呼ばれるほど壮大だ。夏は登山客で賑わうが、冬の北アルプスは別世界。猛烈な吹雪と氷点下の気温が人間を容赦なく試す。
そんな冬山で、登山者が遭難した。
「長野県警から救助要請です!」
ヒロ室の緊急チームが出動する。
参加メンバーは、
エミリー・ハート、
山口唯奈、
月島小春、
館山みのり、
杉山ひかり、
松本美紀。
そして今回の足はもちろん――
ドリームトラクター蒼牙2000・改。
巨大タイヤにスノーチェーンを装備した蒼牙は、吹雪の山道を力強く進んでいた。
操縦席では唯奈がハンドルを握る。
「おい蒼牙ぁ!雪なんぞに負げんじゃねぇぞ!ガンガン行ぐど!」
蒼牙が落ち着いた声で答える。
「了解。
雪上走行モード起動」
エンジン音が低く唸る。
小春が窓の外を見て叫ぶ。
「うわああ!完全に雪山探検隊じゃん!」
みのりが真顔で言う。
「探検ではありません。救助です」
ひかりは震えていた。
「寒い……」
美紀は地図を確認する。
「遭難者はこの先の尾根付近のはずです」
蒼牙は雪道を踏みしめ、どんどん高度を上げる。
だが――
吹雪が強くなった。
視界はほぼゼロ。
ついに蒼牙が減速した。
「警告。
この先は危険区域」
唯奈が唸る。
「ちっ……なんだってんだよぉ!」
蒼牙が静かに告げる。
「これ以上の車両進入は危険です」
小春が顔をしかめる。
「え、ここで止まるの?」
みのりも困惑。
「徒歩で行くしか……」
ひかりが青ざめる。
「この吹雪の中で?」
その時だった。
後部座席で静かに座っていたエミリーが立ち上がった。
金髪が吹雪の光に揺れる。
碧眼が雪山を見据える。
そして一言。
「ホームゲーム」
全員。
「は?」
エミリーは雪を軽く踏みしめた。
まるで公園の散歩のような顔。
小春が驚く。
「ちょっと待って、ホームゲームって何!?」
エミリーが笑う。
「ロッキー山脈の冬はこれくらい普通」
唯奈が叫ぶ。
「普通なわげねぇだろ!」
エミリーはコートを締めると、静かに歩き出した。
雪の中を。
まるで氷上のダンサーのように。
吹雪の中でもバランスが崩れない。
ひかりが呟く。
「すごい……」
みのりが感心する。
「完全に雪山適応体質ですね……」
小春は感動していた。
「アメコミのヒロインみたい!」
エミリーは雪原を軽やかに進む。
そして――
数分後。
倒れ込んでいる登山者を発見した。
エミリーが静かに声をかける。
「Hey。聞こえる?」
登山者は震えていた。
「た……助けて……」
エミリーは微笑む。
「大丈夫」
その声は、吹雪の中でも不思議と温かい。
エミリーは登山者を軽々と担ぎ上げた。
まるでヒーロー映画のワンシーン。
雪の中を颯爽と戻ってくる。
蒼牙のライトが見えた。
小春が叫ぶ。
「帰ってきた!!」
唯奈が驚く。
「おいおいおい!担いで来てんじゃねぇか!」
みのりが目を丸くする。
「体力どうなってるんですか……」
エミリーは登山者を車内に乗せる。
そして静かに言った。
「もう大丈夫」
美紀が応急処置を始める。
「低体温です。でも助かります!」
蒼牙が静かに言った。
「救助成功。お見事です」
小春が拍手。
「エミリーかっこよすぎる!」
唯奈が笑う。
「いやぁ……参ったなこりゃ」
みのりが頷く。
「完全に主役ですね」
ひかりがぽつり。
「雪山の女王……」
エミリーは外の吹雪を見た。
そして涼しい顔で言う。
「デンバーでは普通だよ」
全員。
「普通じゃない!!」
北アルプスの吹雪の中に、
ヒロイン達のツッコミが響いた。
ロッキーの風は――
雪すら味方にしていた。




