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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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619/712

先行一本、湾岸一直線。蒼牙番手死守の逃げ切り劇

舞台は大阪府内の湾岸エリア――夢洲へと続くバイパス道路。

巨大なコンテナクレーンが並び、海風が吹き抜け、遠くには観覧車がきらめく。物流と未来都市が交差するこのエリアは、直線が長く、風が強い。スピード勝負にはうってつけの場所だ。


その日、違法物資を狙う妨害グループが湾岸バイパスへ侵入。証拠品を積んだ車両を妨害しようとしていた。


証拠を輸送しているのは――


唯奈(茨城)がハンドルを握るドリームトラクター蒼牙2000・改(愛媛)。


「後続、三台!」


無線が鳴る。


蒼牙2000・改が低く唸る。


『進路確保を要請します』


隼人補佐官の声。


「狭い。横に出させるな。ラインを組め」


一歩前に出る影。


大西結月(香川)。


「私が先行します」


美月(大阪)が驚く。


「トラクターとライン組むんか!?」


結月はヘルメットを締める。


「先頭、私。蒼牙、番手でお願いします」


蒼牙2000・改が即答。


『番手死守』


完全に競輪。


スタート。


結月が前へ出る。


一定ペースで引く。


湾岸の横風が吹く。


敵車両が横に並ぼうとする。


だが――


蒼牙2000・改が絶妙な車幅で蓋をする。


合法、ギリギリ。


『ライン維持、良好です』


実況か。


結月は振り返らない。


呼吸一定。


ペダルはリズムよく回る。


「ここで踏みます」


ギアを上げる。


先行ペースアップ。


敵が焦る。


「速っ!?トラクター守ってるぞ!」


まどか(大阪)が無線で叫ぶ。


「完全にライン戦やん!」


唯奈が真剣な声で言う。


「蒼牙、幅寄せ合法範囲で」


『承知しました。番手は命です』


命て。


最終直線。


海風が強まる。


結月は立ち漕ぎに入る。


太ももが唸る。


湾岸に風切り音が響く。


蒼牙2000・改が風を受け止める。


物理的ドラフティング。


敵車両は横風にあおられ失速。


距離が開く。


「逃げ切れる!」


美月が叫ぶ。


残り500メートル。


結月、さらに踏む。


逃げ切り体勢。


蒼牙2000・改が後ろで安定走行。


『残り三百。先行有利』


完全に専門紙記者。


ゴール地点。


警備隊が封鎖。


敵は追いつけない。


任務成功。


結月はゆっくりと減速する。


呼吸は荒いが、表情は涼しい。


唯奈が蒼牙2000・改を止める。


美月が駆け寄る。


「お前ら、完全に競輪やん!」


まどかが笑う。


「トラクターが番手って初めて見たわ」


蒼牙2000・改が低く言う。


『勝因はペース配分と風向き判断。理想的な逃げでした』


隼人補佐官が一言。


「ライン完璧」


結月は蒼牙2000・改のボンネットに軽く触れる。


「蒼牙2000・改には感謝します」


蒼牙2000・改が少しエンジン音を上げる。


『光栄です』


美月が呟く。


「トラクターにお礼言うヒロイン、初やな」


湾岸の夕陽が沈む。


直線の海風。


先行一本。


逃げ切り勝利。


競輪で培ったライン戦術が、湾岸バイパスを制した日だった。

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