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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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616/679

最終バックからの逆襲。南港コンテナ迷路を捲れ

大阪南港。


巨大なコンテナが積み上がり、クレーンが空を切り、海風が鉄の匂いを運ぶ人工の港湾都市。フェリーが発着し、物流が唸るこの場所は、昼夜を問わず忙しい。だが一度コンテナヤードの奥に入り込めば、そこは迷路だ。狭い通路、急な曲がり角、死角だらけ。


その日、違法物資の受け渡しが発覚した。


「対象、コンテナCブロックを移動中!」


無線が飛ぶ。


敵は電動アシスト自転車+小型台車。狭い通路を縫うように逃走。


パトカーは入れない。大型車両は論外。


唯奈(茨城)のドリームトラクター蒼牙2000・改は入口で停止。


『物理的に無理です。幅が足りません』


今日も正直だ。


隼人補佐官(東京)が短く指示する。


「機動力重視。追える者が行け」


一歩前に出る影。


大西結月(香川)。


「私が行きます」


支給された軽量ロードバイクを受け取り、サドルを一瞬で合わせる。ギアを触る。タイヤの空気圧を指で確認。


まどか(大阪)が小声で言う。


「真顔やな……」


結月は頷く。


「最終バックまで脚を残します」


誰も分からない。


スタート。


コンテナの壁に囲まれた狭路。電動アシストのモーター音が前方で唸る。


結月は追いかけない。


距離を保つ。


心拍を一定に。


「焦らない。ここは前を泳がせる」


競輪で叩き込まれた戦術。先行を泳がせ、脚を削らせる。


敵は必死に漕ぐ。電動アシストを過信している。


直線。


曲がり角。


また直線。


コンテナの隙間から海風が吹く。


結月、呼吸が整っている。


最終コーナー手前。


狭いが、わずかに広がる区間。


「ここ」


ギアを一段上げる。


踏み込む。


太ももが唸る。


空気が変わる。

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