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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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609/680

太もも国家機密指定!?富士川が震えた讃岐ダッシュ娘の測定日

元女性アスリート初の戦隊ヒロイン。


香川県観音寺市出身、23歳。


元女子競輪選手――大西結月(香川)。


その脚がついに、


「国家特務戦隊ヒロイン中央研修複合学習センター富士川分室」


で公式測定される日が来た。


富士山を望むグラウンド。


ヒロインたちがざわつく。


「競輪の方ですよね?」


「太ももがすごいって噂です」


阿波のスピードスター・三好さつき(徳島)が整った口調で微笑む。


「どのような走りを見せてくださるのか、非常に楽しみです」


元スピードスケーターの週末ヒロイン・中村玲(長野)は静かに観察。


「フォームが美しいですね」


隼人補佐官(東京)は腕組み。


「よし、データを取る」


まずは基礎測定。


垂直跳び。


ぴょん。


高い。


握力。


ぎゅ。


強い。


反復横跳び。


速すぎてカウント係が混乱。


「すみません、もう一度お願いします!」


隼人補佐官がうなる。


「これは凄い」


そして本命。


20メートル走。


これまでの記録保持者は、三好さつき(徳島)と中村玲(長野)。


二人の牙城。


さつきが丁寧に言う。


「もし記録を更新なさるのであれば、素晴らしいことですね」


玲が微笑む。


「全力でどうぞ」


結月、スタートラインへ。


真顔。


競輪の集中。


隼人補佐官が旗を上げる。


「よーい……スタート!」


爆発。


踏み込み。


二歩目で加速。


五歩目で勝負が決まる。


ゴール。


静寂。


計測器を二度見するスタッフ。


「……新記録です」


場内どよめき。


さつきがきちんと拍手。


「お見事です。大変素晴らしいタイムでございます」


玲も素直。


「完敗ですね」


隼人補佐官、満足げ。


「これは凄い。本物だ」


富士川分室、震撼。


だが。


数日後、ステージ訓練。


マイクを渡される結月。


「えー……よろしくお願いします」


終了。


空気が静止。


みーちゃん(愛媛)が苦笑。


「ちょっと硬いかもね」


るみねぇこと木戸瑠海(福島)がいわき訛りで腕組み。


「んー……なんつーかよ、表現力が足んねぇんだよなぁ。気持ちはあっけど、出でこねぇ感じだべ?」


結月、真剣にメモ。


「表現力向上・改善案」


・笑顔回数増加

・観客反応分析

・うどんネタ投入


さつき(徳島)が丁寧に助言。


「ご自身の言葉でお話しなさると、より魅力が伝わるかと存じます」


玲(長野)も続ける。


「競技と同じです。力まずに」


結月、うなずく。


再挑戦ステージ。


マイクを握る。


「私の太ももは国家機密です」


一瞬の沈黙。


続ける。


「でも触るのは禁止です」


客席、爆笑。


みーちゃん(愛媛)が親指を立てる。


「いいじゃん!」


るみねぇ(福島)が笑う。


「やっと血ぃ通ってきたなぁ!」


さつき(徳島)も嬉しそう。


「大変よろしいと思います」


隼人補佐官(東京)が腕を組む。


「脚も一流、努力も一流だ」


結月は少し照れる。


「まだ研究途中です」


観客の声。


「その真面目さが面白い!」


結月は気づく。


競輪では数字に追われた。


ここでは、笑いも、汗も、全部踏み込める。


富士川の夕暮れ。


ダッシュ練習を続ける結月。


国家機密級の太もも。


そしてまだ伸びしろだらけのトーク力。


三好さつき(徳島)が静かに言う。


「大西さんは、きっと素晴らしいヒロインになられます」


結月はうなずく。


「完全燃焼、します」


讃岐ダッシュ娘、大西結月。


速さは本物。


努力も本物。


あとは――


トークのギアを上げるだけである。

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