銅より熱い!ヒロヒロ別子大爆掘まつり〜サバイバルなのに誰も掘らない件〜
新居浜市・産業遺産エリア。
かつて日本の近代化を支えた別子銅山。山肌に残るレンガ遺構、静かな坑道跡、重厚な歴史の空気。
その前に、でかでかと掲げられた横断幕。
「別子銅山リスペクト!ヒロヒロ鉱山サバイバル」
リスペクトとは何か。
まずそこから議論すべきだが、ヒロヒロは議論をしない。
ノムさんがヘルメット姿で登場。
「別子はな、日本の近代化の心臓部じゃ!ヒロヒロもここから近代化するんじゃ!」
意味が分からない。
なぜ撮影許可が下りたのかも分からない。
のどかが小声で言う。
「……誰に話つけたん?」
ノムさんは親指を立てる。
「交渉力じゃ!」
何をどう交渉したのかは、誰も聞かないほうがいい。
本日の競技。
第一種目:鉱石っぽい石を探せ選手権。
地面に転がる石を拾って「これは銅!」と宣言するだけの競技。
みーちゃんがやると妙に様になる。
「これは……ロマンですね」
地元愛が乗る。
一方、梨乃。
「これ光っとるけ銅じゃろ!」
ただのペットボトルのキャップ。
のどかが即ツッコミ。
「それゴミ」
梨乃、堂々。
「リサイクルや!」
違う。
配信コメント欄がざわつく。
《梨乃が安定の梨乃》
《銅山でゴミ拾いしてる》
《これぞヒロヒロクオリティ》
第二種目。
坑道風迷路脱出サバイバル。
本物の坑道ではない。安全確保のために組まれた簡易迷路。
だがヒロヒロは本気だ。
川崎の水無瀬澪が冷静に分析する。
「右壁沿いで行けば理論上出られます」
理系の落ち着き。
山田真央が即座に被せる。
「でもさ、それって場合によるんだよね、ほら昔の鉱山ってさ——」
しゃべり出したら止まらない。
歴史解説が始まる。
のどかが言う。
「脱出せえ」
みーちゃんは意外と冷静。
「私、ステージの暗転慣れてますから」
暗転と坑道は違う。
梨乃は迷路に入った瞬間に叫ぶ。
「出口どこぉ!?」
まだ三歩目。
真央が解説しながら先導。
澪が方向を判断。
みーちゃんがまとめる。
梨乃だけが逆走。
ポンコツとベテランの対比が鮮やかすぎる。
第三種目。
ヒロヒロ式・銅山筋トレ。
鉱石に見立てた重りを運ぶ。
真央が軽々と持つ。
「フォームが大事だからね!」
解説が止まらない。
澪は黙々。
みーちゃんは意外と粘る。
「井坂農装で鍛えましたから!」
蒼牙ライン経験がここで生きる。
梨乃。
「重っ!」
三歩で脱落。
コメント欄。
《梨乃、働け》
《みーちゃん意外と強い》
《真央がうるさい》
最後の競技。
“銅より熱いプレゼン大会”
別子銅山の歴史をテーマに即興スピーチ。
みーちゃん、さすが歴女。
「近代日本の礎となったこの山のように——」
妙に説得力。
観光客が頷く。
澪、ロジカル。
「資源と技術革新の関係性を考えると——」
真面目。
真央、止まらない。
「さらに言えば当時の労働環境が——」
のどかが時間を止める。
「長い」
梨乃。
「銅は赤い!」
それだけ。
拍手。
なぜか一番ウケる。
ノムさんが最後に叫ぶ。
「ヒロヒロは鉱山から世界へ!」
のどか。
「世界に鉱山はいっぱいあるわ」
配信コメントが総括する。
《歴史とバカの融合》
《真央しゃべりすぎ》
《梨乃通常運転》
《みーちゃん頼れる》
《これぞヒロヒロクオリティ》
夕暮れの別子。
赤レンガに夕日が差す。
歴史ある産業遺産の前で、しゃもじとヘルメットを持って並ぶヒロヒロ一同。
何も掘っていない。
だが、笑いは掘り当てた。
みーちゃんがぽつり。
「新居浜、ええとこやね」
梨乃が言う。
「銅より金が欲しい」
のどかが即座に制止。
「よしなさい」
ヒロヒロは今日も無駄に全力。
そして別子銅山は、たぶん困惑している。




