表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

601/681

ヒロヒロ、ついに県境突破!?〜瀬戸内か中国か、それともそのままか〜

新橋でもなく、広島でもなく、世界の中心でもないが、とにかくやたらと騒がしい場所がある。


ヒロ室広島――通称ヒロヒロ。


正式な部署名ではない。

組織図にも載っていない。

だが存在感だけは本部を超える。


のどかとノムさんが、ほぼ勝手に運営している。

遥室長は黙認。

というより、もう止めるのを諦めている。


そこに、松山のベテラン地下アイドル・越智美晴、みーちゃんが加入した。


つまり。


ついに。


ヒロヒロが広島県外に進出する。


ノムさんは会議室のホワイトボードに太字で書いた。


「瀬戸内制覇」


のどかが即座に消した。


「よしなさい」


だが止まらないのがヒロヒロである。


その日の夜、ヒロヒロ公式動画配信チャンネル――

『テレビじゃ見れないヒロヒロ劇場』が更新された。


タイトルは、


「松山のレジェンド参戦!」


カメラが回る。


ノムさん、テンション最高潮。


「皆さん!ついにヒロヒロは広島を飛び出すぞ〜!」


野村ラッパが鳴り響く。


横でのどかが腕を組む。


「飛び出す言うても、船で一時間半じゃろ」


「距離の問題じゃない!志の問題じゃ!」


みーちゃんが中央に座る。


「よろしくお願いします、松山から来ました越智美晴です」


コメント欄が即座に流れる。


《みーちゃん!》

《オレンヂの人や!》

《ヂな!ヂ!》


ノムさんが頷く。


「そう!ヂじゃ!ジは敵!」


「敵を増やすな」


のどかが冷静に止める。


そしてノムさん、突然真顔になる。


「ところで皆さん、ヒロ室“広島”でええんか?」


一同、沈黙。


「広島を飛び出すんじゃけぇ、ヒロ室瀬戸内とかどうじゃ?」


コメント欄がざわつく。


《ヒロセト?》

《ヒロセ?》



ノムさん、ノリノリ。


「略称はヒロセ!どう?ヒロセ!」


みーちゃんが首を傾げる。


「なんか、美人女優姉妹みたいですね」


「それはそれでええ!」


「よくない」


のどかが即否定。


ノムさんはさらに暴走する。


「ヒロ室中国!ヒロチュウ!」


コメント欄が爆発する。


《ヒロチュウは危ない》

《なんか中毒みたい》

《おい止めろ》


のどかが机を軽く叩く。


「よしなさい」


静かだが強い。


「ヒロチュウは誤解を生む」


「じゃあヒロセト!」


「語呂が悪い」


「ヒロセ!」


「美人姉妹や」


「ヒロセトチュウ!」


「それはもう化学式じゃ」


みーちゃん、笑いをこらえきれない。


コメント欄が埋まる。


《これぞヒロヒロクォリティ》

《会議を配信するな》

《投票しようぜ》


ノムさんが目を輝かせる。


「よし!戦隊名、視聴者投票で決めよう!」


のどかが一瞬固まる。


「……戦隊名を?」


「そう!民主主義!」


「よしなさい」


だがもう遅い。


画面に即席アンケートが表示される。


①ヒロ室広島

②ヒロ室瀬戸内

③ヒロ室中国

④ヒロセ

⑤ヒロチュウ


コメント欄が荒れる。


《ヒロチュウ一択》

《いやそれは危険》

《ヒロセは女優姉妹》

《ヒロヒロが一番落ち着く》


みーちゃんがぽつりと言う。


「ヒロヒロ、言いやすいですよね」


その一言で流れが変わる。


《やっぱヒロヒロ》

《ヒロヒロ最高》

《変える必要なくね?》


五分後。


結果発表。


圧倒的多数で、


「ヒロ室広島ヒロヒロ」継続。


ノムさん、肩を落とす。


「変化を恐れる国民性じゃ……」


のどかが言う。


「安定が一番じゃ」


みーちゃんが微笑む。


「ステップアップせんのも、時には大事です」


その言葉に、ノムさんがハッとする。


「……別の意味のステップか」


「うまいこと言うた思うなよ」


コメント欄がまた盛り上がる。


《ヒロヒロでええんよ》

《県境越えてもヒロヒロ》

《名前より中身》


こうして。


広島県外進出を企てたヒロヒロは、結局名前は変えなかった。


だが、確実に広がった。


松山のレジェンド地下アイドルが加わり、

瀬戸内の空気が混ざる。


ノムさんが最後に叫ぶ。


「ヒロヒロは世界に羽ばたくぞ〜!」


のどかが即座に返す。


「まずは船の時刻表を確認せえ」


みーちゃんが笑う。


「船は慣れてます」


歴史をまたいできた女は、海も怖くない。


こうしてヒロヒロは、

県境を越えたかどうかは曖昧なまま、

今日も全力でバカをやる。


名前は変わらない。

だがスケールだけは、ほんの少し大きくなった。


これぞ、ヒロヒロクォリティ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ