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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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59/444

Oh!突貫娘、現るッ!――四日市から来た“モーレツ無計画”ヒロイン

四日市から“突貫工事の擬人化”みたいな少女がやって来たのは、静岡県富士市の戦隊ヒロイン合同研修センターの朝だった。


入口の自動ドアが開くより速く、謎の影がドガァァン! と飛び込んでくる。

勢い余って受付の観葉植物にヘッドスライディング。土が散る。悲鳴が上がる。


「すみませーん!! まず謝っとこかと思いましてぇぇ!!」


声だけは100点満点で元気だ。


四日市の突貫娘、山本あかり(18)。

弾けるショートカットと太陽みたいな笑顔を振りまくが、その明るさはほぼ爆発物に近い。


「ちょ、ちょっと!植物が可哀想どすえ!」

綾乃がはんなり悲鳴を上げると、


「うち、気づいたら走ってしまうんです!とりあえず走っとこ!って!」


美月が眉をしかめる。

「とりあえず走る前に、とりあえず考えよか!」


彩香もため息。

「突っ走る前にブレーキいう概念、持っとる?」


しかし、本人はまるでこたえていない。


「いや~四日市出てきた瞬間からテンションMAXでして!

工場夜景見たらお父さん今日も頑張っとるわ~!ってなるんですわ!」


誰も聞いていない。


あかりは四日市の“地元愛”を語りだすと止まらない。


「四日市のトンテキは世界一で!あれ食べたら3キロはダッシュできます!

あ、ダッシュしときます!とりあえず!!」


また走った。

またぶつかった。

また土が散った。


波田司令長官が現場を見て絶句する。


「おまいさん……爆弾でも輸送してきたのか?」


遥広報官は静かにフォローする。

「まぁまぁ、元気は才能だでね……たぶん……」


そしてあかりは胸を張って名乗った。


「うちは “ブレイズ・フォーティエイト” なんで!!

四日市の“火”を背負ったモーレツヒロインです!!

Oh!モーレツ!!」


美月「昭和か!」

綾乃「そのテンション、逆に尊いどす……」

彩香「いや、尊くはない」


ただし、誤解してはいけない。


この子、戦闘能力だけは一級品。

理解力は最下位クラスなのに、ダッシュ力と体力だけは化け物。

遠距離を無視して接近戦に突っ込む癖があるが、その勢いで敵を吹き飛ばすこともある。


本人いわく、


「細けぇことはええんです!走って殴ればなんとかなります!」


遥広報官はそっとため息をついた。


「……なんとかなるといいねぇ……」


こうして“モーレツ無計画ヒロイン”山本あかりは、

今日もどこかで走っている。


考える前にダッシュし、ダッシュした後で

「うわぁ、また怒られるやつですやん!」

と笑う。


四日市の突貫娘――

その無尽蔵の元気は、味方には頼もしく、敵には災害級である。

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