潮風と照明が眩しすぎる!呉・昭和マリン艦隊ショー大騒動
瀬戸内海を望む港町・呉。
造船と海軍の歴史を持ち、巨大な艦船が停泊する風景が日常に溶け込む、どこか男前な街である。
潮風が強く、海の匂いが濃い。
そこへヒロヒロが殴り込み。
「広島市外シリーズ第三弾じゃ!」
広島支部長・江波のどかが胸を張る。
隣でノムさんがサングラスを光らせる。
「海だ。昭和だ。マリンだ」
イベント名はやたら長い。
「呉・潮風ヒロイン艦隊ショー!昭和マリン大騒動」
特設ステージは港近くの広場。
背後には大型艦。
無駄にドラマチック。
そこへ、愛媛県松山市からご当地アイドル「オレンヂ☆ステップ」が登場。
オレンジ色の衣装で元気いっぱい。
その中に一人、やけに照明が当たっているメンバーがいる。
越智美晴、通称みーちゃん。
年齢不詳(実際は29歳)。
笑顔が眩しい。
そして、照明がやけに明るい。
配信コメント欄がざわつく。
「みーちゃんカワイイ」
「照明明るすぎない?」
「みーちゃんライト強すぎ」
メイクと照明で完璧に整えられたみーちゃん、カメラに向かってウインク。
まだこの時、戦隊ヒロイン加入など誰も知らない。
対決内容は、昭和深夜番組テイスト満載。
三本勝負。
第一戦――浮き輪バランス競争。
潮風の中、浮き輪を抱えてバランス対決。
梨乃、浮き輪が抜けなくなる。
「取れない!」
澪(川崎から参加)が冷静に外す。
のどか、紫ハチマキで本気。
第二戦――マリンポーズ選手権。
水兵風コスチュームでスローモーションポーズ。
みーちゃん、妙に色っぽい。
コメント欄。
「みーちゃん優勝」
「昭和臭最高」
第三戦――呉焼き早食いからの敬礼ラン。
ノムさんの発案。
「海は食って走れ」
オレンヂ☆ステップ、意外と速い。
そして総合判定。
僅差で――
オレンヂ☆ステップ勝利。
罰ゲーム発表。
ノムさんが真顔で言う。
「負けたら呉港から松山観光港まで泳いで帰る」
みーちゃん、わざとらしく。
「えーっ!!」
コメント爆発。
「かわいい」
「泳げるわけない」
しかし。
全編やらせ。
僅差でオレンヂ☆ステップ勝利。
戦隊ヒロインチームに罰ゲーム。
内容は――
呉名物“巨大イカ天かぶり物ダンス”を港で披露。
なぜイカ天なのかは誰も説明しない。
のどか、巨大イカの頭をかぶる。
「なんでこれなん!」
梨乃は楽しそう。
「かわいい!」
澪もノリノリで踊る。
さらにノムさんも巻き込まれる。
「社長も!」
巨大イカヘッド着用。
港で謎のダンス。
観客爆笑。
コメント欄。
「これぞヒロヒロクォリティ」
「バカすぎる」
「最高」
みーちゃんは照明を浴びながら拍手。
オレンヂ☆ステップも大盛り上がり。
潮風が強まる。
巨大艦を背景に、イカが踊る。
誰も得をしていない。
だが、なぜか楽しい。
ノムさんは息を切らしながら言う。
「次は本物の艦上ショーだ」
のどかが即座に止める。
「それは無理じゃ!」
梨乃は笑い転げる。
澪も満面の笑み。
みーちゃんはカメラに向かって手を振る。
「また来ますね〜」
この夜、呉港は笑いに包まれた。
バカバカしい。
だが確実に伝説。
そして、誰もまだ知らない。
この“みーちゃん”が、後に戦隊ヒロインの一員になることを。
ヒロヒロの潮風は、今日も無駄に熱い。




