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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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因幡の太陽、今日も空回り!山根梨乃、戦力外(?)でも戦隊最強の癒やし枠

戦隊ヒロインに加入して一週間。


結論から言おう。


山根梨乃は――弱い。


戦術理解度、低い。

作戦会議、三分で迷子。

能力値、平均以下。


敵の動きの予測を問われて。


「えーっと……なんか来る!」


ざっくりしすぎ。


フォーメーション練習では。


「そこじゃない!」


「ごめん!」


逆方向へ全力ダッシュ。


戦闘訓練では。


「カバー!」


「どこ!?」


きょろきょろ。


明らかに戦力としては心もとない。


ヒロ室スタッフは内心ざわつく。


「大丈夫か…?」


だが、奇妙な現象が起きていた。


梨乃がいると――


なぜか空気が軽い。


失敗しても本人が大爆笑。


「やらかしたー!」


その笑い声につられて、周囲も笑う。


緊張していた新人ヒロインも肩の力が抜ける。


ベテランも怒る気をなくす。


作戦会議で梨乃が珍回答を放つ。


「怪人、梨あげたら帰らんかな?」


全員ずっこける。


だが議論が行き詰まっていた場面が、なぜかリセットされる。


空気がほぐれる。


誰かがぽつりと言う。


「……こんな子、いなかったよね」


梨乃はラブラドールレトリバーに似ている。


頭はあまり良くない。


指示は三回言わないと理解しない。


だが尻尾を振るような笑顔。


そして絶対に人を嫌わない。


ある日、合同戦闘訓練。


梨乃、敵役の動きに反応できず転倒。


「うわぁ!」


しかしその姿が妙に間抜けで、緊張していた若手が吹き出す。


それをきっかけに動きがほぐれ、チームの連携が一気に改善。


教官がぼそっと言う。


「……結果オーライ?」


梨乃は泥だらけで笑う。


「楽しい!」


本当に楽しそう。


能力は凡庸。

戦術理解も遅い。


だが、誰よりも声が大きい。


誰よりも先に「大丈夫!」と言う。


誰よりも早く立ち上がる。


ある日の反省会。


梨乃のミスが連発。


作戦はボロボロ。


だが会議室は暗くない。


山口出身の安岡真帆が腕を組み、ぽつり。


「こんな子も一人くらいはおってもええっちゃね」


山口弁のやわらかい響き。


「空気がやわらぐっちゃ」


のどかが腕を組む。


「戦術はまだまだじゃけどな」


梨乃はきょとん。


「怒られとる?」


「半分な」


だが不思議と誰も排除しようとは思わない。


むしろ守りたくなる。


ある日、怪人が現れた。


緊迫する現場。


梨乃は作戦を理解できていない。


「とりあえず応援する!」


前線で声を張り上げる。


「がんばれー!」


ヒロイン達が苦笑する。


だが、その声が届く。


動きが鈍っていたメンバーが踏ん張る。


のどかが呟く。


「……お前、なんなんじゃ」


梨乃は満面の笑み。


「因幡の太陽!」


自称。


だが否定できない。


戦力としては未知数。


だがチームとしては必要不可欠。


完璧な戦士ではない。


頭の弱いラブラドールレトリバーのような存在。


だが、確実にチームの士気を上げる。


ヒロ室の評価メモにはこう書かれている。


「単体性能:低

 集団影響力:高」


梨乃は今日も笑う。


「うち、なんか役に立っとる?」


のどかが答える。


「まあ、太陽くらいにはなっとる」


梨乃は胸を張る。


「ほなええわ!」


戦術はまだ理解していない。


だが、笑顔は一流。


因幡の太陽・山根梨乃。


戦力外かもしれない。


だが戦隊ヒロインに、確実に必要な存在。


今日も空回り。


そしてなぜか、みんな元気。

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