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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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572/696

砂丘の太陽、ヒロ室に降臨!因州ネアカ娘・山根梨乃、笑撃の合格

新橋ヒロ室の面談室。


静まり返った空気をぶち破ったのは、ひとりの少女の声だった。


「山根梨乃です!鳥取から来ました〜!」


面談担当は小宮山琴音。

冷静沈着、段取り命の甲州ヒロイン。


「志望理由をどうぞ」


梨乃は迷いなく答える。


「東京、行ってみたかった!」


即答。

広島支部長(自称)江波のどかが横で額を押さえる。


「それだけじゃなかろうが!」


梨乃は首をかしげる。


「え、あと……なんか強くなるんですよね?」


ざっくり。


だが声が明るい。

笑顔が無敵。

因州弁がやたらと耳に残る。


琴音は資料をめくる。


鳥取県鳥取市出身。

梨と砂丘とらっきょうの地。

憲政史上最低クラスの総理大臣を出してしまったとネタにされることもあるが、実際の住民は穏やかで温かい人が多い土地。海は美しく、梨は甘く、風はやさしい。


梨乃の実家は梨農園。

祖父・祖母・母で回す“さんちゃん農業”。

父は電話局勤務の技術者で、休日は脚立に登ってアンテナを直しつつ、梨の袋掛けを手伝う。


広島に進学してきたとき、路面電車を見て本気で感動した。


「未来の乗り物や!」


のどかが即ツッコんだ。


「昭和じゃ」


そんな世間知らず。


だが琴音はじっと見つめる。


「自己PRを」


梨乃は胸を張る。


「失敗しても笑えます!」


面談室が一瞬止まり、そして緩む。


自分の弱さを笑いにできる。

空気を変える力がある。


面談後、琴音は結論を出す。


「10点満点はあげられんけど、75はあげてもええずら」


合格。


決め手は、元気。


因州弁の勢いと、どこか憎めない明るさ。


琴音は小声で付け加える。


「ちょっと頭が弱くて面倒くさそうずらけど、伸び代はあるずら」


梨乃は満面の笑み。


「受かった? やったー!」


ここで“お友達紹介キャンペーン”発動。


粗品は紹介者だけに渡される。


広島支部長・江波のどかに贈呈。


麗奈ちゃんプリペイドカード2000円分。

戦隊ヒロイン手ぬぐい(非売品)。


のどか、即答。


「……ショボっ」


ヒロ室、爆笑。


そこへハマのプリンセス南部沙羅が歩み寄る。


「のどかさん、粗品は何でした?」


のどかはニヤリと笑い、ドギツイ広島弁で言う。


「ハマの娘にゃ教えられんわぁ。こがぁなもん聞いたら横浜の風が泣くで?」


沙羅「ぐぬぬ……」


だが次の瞬間、沙羅は目を細める。


「……あの子、ちょっと面白いわね」


一方、梨乃は何も知らずにヒロ室の窓から東京のビル群を見ている。


「砂丘より高い建物ばっかや!」


のどかは腕を組む。


「中国地方、動くで」


鳥取の砂丘の風と、広島の紫の血。


因州ネアカ娘・山根梨乃。


合格点75。

伸び代は無限。


ヒロ室に、また一つ太陽が増えた。

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