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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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570/695

高原のストライク革命!さわやか結花さんと唯奈の北関東スリーアローズ、笑撃の成長物語

物語は一本の何気ない一言から始まった。


「結花、プロボウラー目指そうか?」


そう言ったのは“るみねぇ”こと福島県いわき市のトロピカルダンサーの木戸瑠海。

南東北の太陽みたいな人で、笑うと周囲の空気が二度ほど明るくなる。


その一言に、塩原結花は一瞬だけ固まった。


「ぷ、プロ……でございますか?」


当時の結花は、上品で控えめで、投げるボールもどこか遠慮がちだった。だが内側には、静かな闘志が眠っていた。


そこへ現れたのが――


上州の鬼教官、太田すみれコーチ。


「ボウリングはなぁ、気合だ!」


出た。時代錯誤。


M大野球部の島岡御大仕込みの軍隊式トレーニングが、ボウリング場で始まった。


「走れ!投げろ!叫べ!」


「はいっ!」


ボウリングなのに何故かグラウンド十周。

フォーム確認なのに腹筋二百回。

スプリット外すと腕立て。


結花さん、最初は目を白黒させた。


「すみれコーチ……ボウリングでございますよね?」


「精神力のスポーツだ!」


るみねぇは横で笑っている。


「まあまあ、結花。気合も大事だよ?」


こうして、鬼と太陽とお嬢様の奇妙な三角形が完成した。


だが効果は抜群だった。


るみねぇの理論的アドバイス。

現役プロボウラーの技術指導。

そして、すみれコーチの無駄に暑苦しい精神論。


結花さんはメキメキ腕を上げていく。


そして舞台は、落ち目タレント救済番組――

「スーパースターボウリング」。


スポンサーは消費者金融と謎の健康器具。

CMの半分は番組宣伝。

予算は常に不足。


だが、そこで結花はやらかした。


番組史上初のパーフェクト。


300。


場内騒然。


その場にいた芸能プロダクション社長のノムさんが自社タレントでもないのに、誰よりも大きくガッツポーズ。


翌日のスポーツ紙。


「戦隊ヒロインがパーフェクトの快挙!」


高原のそよ風のような笑顔。

上品なコメント。


「皆様のおかげでございます」


そして時々漏れる栃木弁。


「ほんと、ありがてぇっす」


このギャップが刺さった。


気付けばシャンプーCM出演。


ヒロインやファンからも、


「さわやか結花さん!」


と呼ばれるようになった。


一方、盟友・山口唯奈さん。


茨城の快速ランナー。


ドリームトラクター蒼牙2000・改と共に戦場を駆ける。


爆走。


突撃。


包囲。


結花がストライクで仕留める。


タイプは真逆。


だが連携は完璧。


静と動。


そよ風と竜巻。


二人は戦隊ヒロインの中で、確実に中心へと近づいていった。


だが。


忘れてはいけない。


すみれコーチは今も叫ぶ。


「まだまだ甘い!」


るみねぇも笑う。


「結花、唯奈、もう一段いこう!」


二人とも、現役引退など考えていない。


むしろ壁になる気満々だ。


結花さんが呟く。


「まだ、上がございますわね」


唯奈が笑う。


「ぶち抜くしかねぇな」


すみれコーチが腕を組む。


「その意気だ!」


るみねぇが拍手する。


「面白くなってきたねぇ!」


北関東と南東北。


地味と言われがちなこのエリアを、


ボールとトラクターと軍隊式トレーニングでかき回す四人。


高原のストライク。

上州の気合。

南東北の太陽。

茨城の爆走。


この四人がいれば退屈なんて存在しない。


間違いなく、北関東と南東北を面白くするのはこの四人だ。


そして物語はまだ途中。


すみれコーチの怒号も、

るみねぇの笑顔も、

唯奈の爆走も、

さわやか結花さんのストライクも、


まだまだ止まらない。


レーンも戦場も、これからが本番。


次はどんな革命が起きるのか。


少なくとも、静かには終わらない。


なぜなら彼女たちは――


本気で、笑いながら成長しているのだから。

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