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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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550/694

GRACE FORCE:72 HOURS IN THE SHADOW ― 愛が兵站を超える時

海でも空でもない。

都心からほど近い湾岸エリアの地下、巨大物流倉庫のさらに下に眠る謎の施設。コンクリートの壁、低い天井、非常灯だけが淡く点滅する閉鎖空間。


ジェネラス・リンク傘下の武装集団が立てこもり、ヒロイン部隊が突入。

しかし――爆破で通路が崩落。前線部隊は分断。通信は途絶。


地下深部に取り残されたのは、

駿河の良心・杉山ひかり。

千葉の叡智・館山みのり。


「補給線、完全に断たれました」


ひかりが冷静に状況を整理する。


「水、二本。非常食、三袋。バッテリー残量四十八パーセント」


みのりが即座に答える。


静寂。


上から瓦礫が落ちる音。


通常ならば緊張が走るはずの空気。


しかし二人は顔を見合わせ、なぜかほほ笑む。


「みのり、七十二時間いける?」


「ひかりと一緒なら、無限時間」


百合度、初速からMAX。


地下施設は迷路のように入り組み、武装集団は各所に散開。

補給なし、応援なし。持久戦。


だがグレースフォースは焦らない。


「極限状態では感情の安定が最優先です」


「ひかりがいるから安定してる」


「私も」


周囲で敵が警戒を強める中、二人は背中合わせで座り、淡々と作戦を立てる。


第一夜。


暗闇。

ひかりが静かに言う。


「体温を維持するため、距離を縮めます」


「合理的だね」


合理的と言いつつ、自然に肩が触れる。


敵が物陰から様子を窺う。


「……なんであの二人、こんな落ち着いてるんだ?」


敵兵A、困惑。


第二日目。


水を半分ずつ分ける。


「みのり、多めに飲んで」


「ひかりが先」


「いいえ」


「いや」


敵兵B、無線で報告。


「対象、譲り合い始めました。意味不明です」


地下通路で小競り合い。


敵が包囲を試みるが、二人は目で会話。


ひかり、わずかに視線を右へ。


みのり、瞬時に左へ回り込む。


完璧なクロス。


敵が崩れる。


「なぜ声を出さない!」


「声は不要です」


「通信、心で十分」


敵、完全に理解不能。


第二夜。


バッテリー残量低下。

非常灯がさらに暗くなる。


ひかりが囁く。


「怖い?」


みのり、首を振る。


「ひかりがいる限り、孤立じゃない」


ひかり、微笑む。


「私も、孤立してる感覚がない」


百合濃度、地下水脈レベル。


敵兵Cが小声で言う。


「……あの二人、補給いらなくないか?」


第三日目。


空腹。

だが知性は衰えない。


ひかりが地下構造を解析し、換気ダクトの位置を特定。

みのりがタイミングを見計らい、奇襲。


「房総ならぬ暴走は、地下でも有効」


敵を次々と制圧。


やがて救援部隊が到着。


瓦礫を除去し、光が差し込む。


美月が駆け込む。


「大丈夫かいな!?」


彩香も続く。


「お前ら三日もおったんか!」


小春が涙目。


「二人とも痩せた!?」


ひかりとみのり、顔を見合わせる。


「三日間、楽しかったね」


「うん。静かな時間だった」


周囲、凍る。


蒼牙2000・改の無機質な声。


「報告:孤立七十二時間。精神安定度、異常に高い。解析不能」


救出後の医療チェック。


軽度の脱水のみ。


美紀が呆れ気味に言う。


「普通、もっと不安定になりますよ」


みのり、さらり。


「ひかりがいるので」


ひかりも。


「みのりがいるので」


ヒロイン達、同時に。


「はいはいはいはい」


最後に、地下施設から出た二人は夕陽を見上げる。


「三日間、同じ空は見えなかったけど」


「心は繋がってた」


みのりがそっと手を握る。


ひかりも握り返す。


遠くで美月が叫ぶ。


「もう二人だけで地下籠城すな!」


彩香が腕を組む。


「戦術的には最強やけどな」


蒼牙2000・改、最後のコメント。


「結論:補給線断絶状態でも、当該二名は百合エネルギーで稼働可能」


地下戦、勝利。


孤立七十二時間。


だが、グレースフォースにとっては。


それはただの――

二人きりの、少し静かな時間だった。

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