表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/471

“川崎ゆる勇伝・MIO報”――盛りすぎ会報、知らんけど。――

川崎市幸区の片隅で、

水無瀬澪後援会会報「MIO REPORT」

の創刊号がひっそりと印刷された。


発行部数・一応1000部。

※配る場所:市内の銭湯、理髪店、パチンコ屋、動物病院など。


ファンクラブではなく後援会という時点で

そもそもの毛色が違う。


■【索引①:会長あいさつ(誰も読まない)】


見開き二ページぶち抜きで載っているのは、

助役でもある後援会会長の固い挨拶文。


文章はひたすら長い。


「市政とヒロイン活動が調和し、地域の安全と文化の発展が……」


――読者の90%が一行目で読むのをやめる。


銭湯のおじいちゃんは

「文字が多すぎて気持ち悪くなった」

と言いながら回覧板みたいに隣に渡した。


それでもなぜか見開き中央にドーンと置かれ、

“鎮座”という言葉が妙にしっくりくる存在感を誇る。


■【索引②:水無瀬澪の活動報告(大袈裟)】


会報の中心を飾るのがこれ。


大本営発表より盛っている。


例えばジェネラスリンクとの戦闘報告。


実際


・館山みのりが千葉愛で敵を10秒で殲滅

・澪は5メートル離れた場所で見学

・発言「なんか、もう終わった? 知らんけど」


会報


「澪氏、敵部隊の動線を完全に封じる!」

「高度な千葉・川崎連携を演出!」

「その存在感が戦局を左右した!!」


存在感……というか、ただ“居ただけ”である。


■【索引③:市内イベント参加(誇大報告)】


澪はとにかく呼ばれたら行く。


・地元の公園の盆踊り

・商店街のフリマ

・ゲートボール大会の線審

・交通安全週間のチラシ配り

・銭湯の新しいケロリン桶除幕式(?)


※ヒロインとしては地味すぎる役割も多い。


会報はそれをこう書く。


「市民の心に寄り添う英雄」

「地域の未来を切り拓く存在」

「澪氏、ゲートボールの審判で高齢者の心をつかむ!」


実際の澪は


「ゲートボールってルールむずすぎ。

 知らんけど」


と呟きながら、終始棒立ちだった。


■【索引④:今後の活動方針(未来予想図は盛りすぎ)】


未来の予定まで豪快に盛る。


「川崎から世界へ。澪氏、国際イベント進出へ!」

「AIとの連携で戦闘力の飛躍的向上を図る」

「いつかラゾーナ川崎で単独ライブを開催」


※AI連携=市役所のAIチャットボットを使ったアンケート回答のこと。

※単独ライブ=多分やらない。


澪本人は苦笑い。


「そんな予定聞いてないけど……」



■【索引⑤:地元情報コーナー(なぜこれを載せた?)】


ここだけ異様に熱が入っている。


・パチンコ屋の新台入替日

・近所の居酒屋の「串カツ半額」

・町内会のどんど焼き

・古本市

・保護猫の譲渡会情報

・コンビニ弁当のセール

・不用品交換会のお知らせ


ヒロイン後援会の会報のはずなのに、

“川崎区の暮らし便利情報誌”として機能しはじめている。


銭湯の常連たちには好評。


■【索引⑥:川崎市からのお知らせ(完全に市報)】


・市バスの系統変更

・粗大ごみの出し方

・区役所の窓口時間

・市民講座の募集案内


ここまで来ると、

もう“後援会会報”なのか

“市報の私家版”なのか分からない。


■【創刊号の結論】


澪は、相変わらず。


会報を読んでひとこと。


「私、こんなに活躍してたんだ……。

 知らんけど」


読む市民たちはクスクス笑い、

配布された銭湯では


「この会報、毎号面白いから風呂上がりに読むのが楽しみ」

「澪ちゃんの“近くにいただけ参戦”がまた見たい」


など妙な人気を獲得。


こうして――


水無瀬澪後援会会報は、

川崎で最も読まれる“誇大妄想×生活情報誌”へと成長した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ