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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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540/695

仕事です(建前)~グレースフォース、模擬デートが本気案件~

戦隊ヒロイン派生ユニット「グレースフォース」。

駿河の良心・杉山ひかりと、千葉の叡智・館山みのり。


それぞれ地元の国立に通う大学生で同じ年、同じような背丈、同じような上品さ。

そして――同じくらい相手のことが大好きである。


ある日、若い女性向けのファッション雑誌から企画が舞い込んだ。


「ヒロインのオフコーデ特集。テーマは“理想のデート服”です」


真帆さんが書類を読み上げると、美月がニヤリ。


「ほなグレースフォースやろ。どう見てもデートやん」


彩香も頷く。


「普段からデートみたいなもんやしな」


ひかりとみのりは顔を見合わせる。


「デ、デートって……」

「し、仕事だよね?」


仕事である。


場所は横浜の海沿いショッピングモール。

観覧車、港の風、午後の柔らかい光。完全にデートロケーション。


スタイリストが二人を並べて唸る。


「……完成してますね」


ひかりは淡いワンピースにカーディガン。

みのりは上品なパンツスタイルにジャケット。


並んだ瞬間、自然に手が触れる。


「寒くない?」

「大丈夫だよ、みのりこそ」


撮影開始。


カメラマンが指示を出す。


「じゃあ、待ち合わせ風にお願いします」


みのりが先に立つ。

ひかりが少し離れたところから歩いてくる。


目が合う。


一瞬で空気が変わる。


柔らかい笑顔。

ほんのり頬が染まる。


スタッフがざわつく。


「……え、本物?」


次はベンチに並んで座るカット。


ひかりが小さく笑う。


「なんか照れるね」

「うん。でも、楽しい」


自然に肩が寄る。


距離、ゼロ。


ヒロ室スタッフとして同行した高島里奈が小声で呟く。


「企画、デート“風”ですよね?」


編集者が真顔で答える。


「いえ、もうデートです」


さらにカフェシーン。


「お互いに飲み物交換してみましょう」


ひかりがストローを差し出す。


「みのり、どう?」

「ひかりの、甘いね」


その言い方が甘い。


カメラマン、連写。


スタッフ、息を飲む。


周囲の一般客がヒソヒソ。


「あの二人、芸能人?」

「可愛い……本当に付き合ってるのかな」


完全に本物カップルである。


途中、観覧車に乗るカット。


密室。


向かい合う二人。


「高いね」

「でも、みのりとなら平気」


スタッフは別ゴンドラから必死に撮影。


里奈が額に手を当てる。


「これ、誌面どうなるんでしょう」


撮影終了後、編集会議。


「当初は“理想のデート服”企画でしたが……」


「“理想の彼女と過ごす休日”に変更しましょう」


方向性が変わった。


発売後。


誌面タイトル。


《理想を超えた、運命の二人》


SNS大炎上(良い意味で)。


「尊い」

「リアルすぎる」

「結婚して」


ヒロ室では美月が雑誌を振り回す。


「おい! これもう交際宣言やんけ!」


彩香も笑う。


「企画やなくて公開デートやろ」


ひかりは真っ赤。


「ち、違いますから!」


みのりは冷静を装うが耳まで赤い。


「……仕事、だよね」


里奈がぽつり。


「仕事でここまで自然にラブラブになるの、才能です」


ひかりが小さく言う。


「でも、楽しかったね」


みのりが優しく笑う。


「うん。次は本当に、二人だけで行こうか」


ヒロ室、静止。


美月が叫ぶ。


「はいはいはいはいはい!!」


彩香が追撃。


「もう公式でええやろ!」


グレースフォース。

知性派、清楚、上品。


そして――

模擬でも本気になる、危険な百合ユニット。


なお次号では、特集第二弾。


《遠距離カップルの休日密着》


ヒロ室は今日も、平和である。

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