昭和の怪獣社長を丸め込め!二刀流フロントの知恵とセコさの大勝負
新橋ヒロ室に、嵐が来た。
「スポンサー来訪。例のワンマン社長です」
その一言で空気が凍る。
現れたのは、昭和そのままをスーツにしたような大口スポンサーの社長。金は出さんが口は出す、そして声がやたら大きい。
「若い子はもっと根性出さんかい!演出はド派手に!予算は抑えろ!あとワシの会社ロゴは中央にでかく!」
無茶振り三連発。
ヒロイン達は控室でざわつく。
美月「なんやあの社長!カネ出さんのに口だけは一等賞やないか!」
彩香「播州やったら即ケンカやであれ」
しかし、そこに現れたのが二刀流フロント。
安岡真帆さん、静かに微笑む。
「社長のお言葉、まさに現場目線ですね。現場を知る経営者は違います」
社長、急に機嫌が良くなる。
「ほう?わかっとるじゃないか!」
永田町仕込みの自尊心くすぐり術、炸裂。
横で甲斐の疾風・小宮山琴音がメモを取りながら、けちのんと小声会議。
「予算は据え置き、演出倍増。どうするじゃんけ」
「削るしかありませんね。照明三割カット、弁当は二種類から一種類に」
「夢は増量、費用は減量じゃんけ」
ただのセコさである。
イベント当日。
演出は派手。ロゴはど真ん中。だが舞台裏は節約の嵐。
紙吹雪は再利用。
横断幕は去年の裏面。
楽屋の飲み物は麦茶オンリー。
ヒロイン達、不満爆発。
美月「なんでうちらの差し入れ、う〇い棒めんたい味しかあらへんねん!」
麗奈「これ、撮影用じゃなくてガチ支給?」
けちのん、泉州弁で一刀両断。
「戦隊ヒロインプロジェクトは国民の血税とスポンサー様のご厚意で運営されています。無駄はあきません」
琴音、追い打ち。
「戦隊ヒロインプロジェクトは金はねえけど、夢はあるじゃんけ。いいじゃねえけ。」
会場、なぜか拍手。
社長、目を輝かせる。
「いい!その言葉、いいぞ!若いのに根性がある!」
美月、絶叫。
「根性で腹は膨れへんわ!」
しかしイベントは大成功。
規模は倍、予算は削減。社長は満足げに言った。
「また次も頼むぞ!」
真帆さんは静かに頭を下げる。
琴音は小さくガッツポーズ。
けちのんは電卓を握りしめる。
帰り道、美月が天を仰ぐ。
「なんで成功してもうたんや…」
波田顧問が煙草をくわえながら言う。
「政治も商売もな、知恵比べなんだよ」
真帆さんは肩を回し、琴音は資料をまとめる。
二人の敏腕フロントは、今日もヒロイン達を守りつつ、昭和型怪獣スポンサーを丸め込んだ。
そして琴音の名言は、また一人の大人を虜にした。
金はねえ。
だが夢はある。
…ただし差し入れは安い。
それがヒロ室の現実である。




