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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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51/675

『静かなる蒼と、だいたい川崎の話』 ――水無瀬澪・戦隊ヒロイン加入秘話――

作者は川崎市出身です。

川崎市には特別な思い入れがあったりなかったりします。

水無瀬澪は、生粋の川崎っ子だ。

と言っても、本人は「まぁ川崎だし」としか言わない。

たまに「知らんけど」が語尾につく。

川崎愛があるのかないのか、外から見ると判断不能だが、澪の中では“緩く燃えてる”らしい。


澪が戦隊ヒロインになった理由は、歴代ヒロインの中でもとびきり雑だ。

なんと 父の知人が川崎市の助役で、「川崎市代表として送り込もう」という謎のゴリ押しが入り、気づいたら“サックスブルーの制服”が家に届いていた。


澪の第一声はこれだった。

「……まぁ、着るけど。知らんけど。」


その制服――川崎市営バスと川崎フロンターレのイメージカラーをミックスした鮮やかなサックスブルー。

しかも左袖には 川崎市市章+『川崎市』の漢字刺繍入り。

完全に“行政案件”である。

誰がどう見ても、役所から送り込まれた感がすごい。


紹介の日。

月島小春、館山みのり、大宮麗奈の前に立った澪は、気だるく一礼して言った。


「水無瀬澪。川崎代表……らしい。まぁ川崎だし。よろしゅう。知らんけど。」


麗奈が「えっ、やる気ある?」と訊くと、

澪はまぶた半開きでこう返す。


「指示は守るよ。言われたとおり動くのは嫌いじゃないし。考えるのめんどいし。」


実際、戦闘訓練でもその姿勢はブレない。

パンチをしろと言われればパンチ。

蹴りと言われれば蹴り。

「もっと熱く!」と教官に言われると、

「え、熱量って増やせるの?知らんけど」と返す。


そのくせ、自分の制服に関しては妙にこだわりがある。

みのりが「左袖の市章、いいね」と褒めると、

澪は少し誇らしげに言った。


「まぁ・・・・市章かわいいし。ゴミ収集車も同じ色だし。」


麗奈が「ゴミ収集車を引き合いに出すのやめなさいよ」と突っ込めば、

澪は即答する。


「いやでもホントに同じ色なんだよね。知らんけど。」


そんな調子で、やる気があるのか無いのか全く読めない澪。

だが一度任務が始まると、指示への忠実度は戦隊随一。

なぜなら、


「考えると疲れるし、指示通りやっといた方が楽だし。」


という圧倒的省エネ精神。


それでも澪は不思議と憎めない。

その投げやりに見える言葉の奥には、

“文句は言うけど、川崎は嫌いじゃない”という緩い誇りが潜んでいる。


戦隊ヒロインたちはそんな澪をこう呼ぶようになった。


静かなる蒼、水無瀬澪。

動機はどうあれ、働きは一流。

ただしコメントは二流。

知らんけど。

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