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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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483/777

二人で一人で無限大――迫田ツインズ、かくして伝説へ

迫田澄香と迫田澪香。

この二人の名前が戦隊ヒロインプロジェクトに正式登録された瞬間、ヒロ室の空気は一度、静止した。


理由は単純である。

あまりにも似すぎていた。


顔立ち、声の高さ、立ち姿、笑うタイミング。

「似ている」という生ぬるい言葉では追いつかない。

ウリ二つどころか、角度を変えても光量を変えても同一人物にしか見えない。


「……これ、ほんまに二人おるん?」

美月が思わずつぶやいた瞬間、

ヒロ室の空気は「言ってはいけないことを言った」感じに包まれた。


その後すぐに浮上したのが、

例のあまりにも失礼で、しかし否定しきれない噂だった。


「クローン技術、使われてへん?」


当然、即座に否定された。

本人たちによって、

牧場経営の両親によって、

宮崎の親戚一同によって。


だが否定されればされるほど、

「いや、でも似すぎやろ……」

という疑念は、なぜか強まっていく。


――なお、

乳牛と実家の柴犬ポン太だけは、最初から見分けがついていた。


この事実が、さらに疑惑を深めたことは言うまでもない。


そんな迫田ツインズだが、

性格は拍子抜けするほど穏やかで、明るく、茶目っ気たっぷりだった。


いたずらと言っても、

誰かを困らせたり傷つけたりするものではない。


「どっちが呼ばれたか分かるかな?」

「同時に同じ質問してみよっか」

「今日、どっちが先に返事すると思う?」


その結果、

混乱するのは周囲だけ。


ヒロ室スタッフは頭を抱え、

ヒロインたちは笑い、

結局その場はふわっと和む。


「……なんか、腹立たへんな」

「むしろ癒やされる」


いつの間にか、

混乱=緊張緩和装置

という、謎の立ち位置を確立していた。


イベントステージでは、

その真価がさらに発揮された。


左右対称に立ち、

全く同じタイミングで頷き、

同じ角度で手を振り、

同じテンポでボケる。


もはや漫才なのか、ダンスなのか、幻覚なのか分からない。


観客席からは必ず、

「えっ?」

「どっち?」

「分からんけど可愛い!」

という三段階リアクションが起きる。


結果、

二人のステージは常に拍手が一拍遅れる。


理解が追いついた瞬間に、

笑いと歓声が一気に爆発するからだ。


これを見たスタッフは、

台本にこっそりこう書き足した。


――※迫田ツインズ登場時、

  観客の理解待ち時間を考慮すること。


戦闘訓練でも、

この「同一性」は猛威を振るった。


敵が一人を狙えば、

気づけばもう一人が背後にいる。


逃げたと思ったら、

「そっちじゃないよ?」

と同じ声で左右から言われる。


隼人補佐官は、

腕を組んで深く頷いた。


「これは……

かく乱要員として、

極めて優秀だ」


本人たちはというと、

特に自覚はない。


「え? 普通にやってるだけです」

「ねー?」


この無自覚さこそが、

最も恐ろしいポイントだった。


こうして、

スーパー戦隊シリーズにも前例のない、

空前絶後・前代未聞の美人双子姉妹ヒロインは誕生した。


完全同期で、

息が合いすぎていて、

たまに意見が割れると

ヒロ室がひっくり返る。


混乱を生み、

笑いを生み、

場を和ませ、

そしていずれは戦場をかき回す。


二人で一人なのか、

一人で二人なのか。

それを定義しようとした者は、

今のところ誰一人として成功していない。


――だが、それでいいのだ。


最後は、

どこからともなく聞こえてくる、

あの低く渋いナレーションで締めよう。


「似ているからこそ、見分けられない。

 見分けられないからこそ、惑わされる。

 そして、惑わされる者は――敗れる」


「空前絶後の美人双子姉妹、

 迫田澄香と迫田澪香。

 二人の物語は、まだ始まったばかりだ」


――どうぞ、

ご期待ください。

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