戦隊ヒロイン麗奈の“ふとん店メソッド”〜MC業界を震撼させた自虐アゲ芸〜
戦隊ヒロインとして、そしてイベントコンパニオンとして、
大宮麗奈の人気は今日もじわじわ上昇中である。
理由は明快。
「来なくていいから〜!!!」
──この自虐ワードが強烈だからだ。
彼女が叫ぶのはもちろん、
実家・大宮ふとん店のこと。
商店街の外れで、レジは死んでいて、
値札はガチャで、営業時間は天気次第──
そんな混沌の象徴みたいな店を背負って
今日も麗奈はステージに立っている。
◆麗奈、モビリティショーに殴り込み
都内で開催された大型モビリティショー。
会場には最新EVや自動運転システムがひしめき、
各メーカーの自信作がズラリと並ぶ。
その中でひときわ光を放つのが、
赤と白の戦隊ヒロイン制服に身を包んだ麗奈。
MCとしてステージに立つや否や、いきなりブチ込む。
「えー、わたしの実家、大宮ふとん店は
朝開くか夕方開くか、誰にも予測不可能です!」
客、爆笑。
しかし彼女の本当の狙いはここから。
「でもこちらの最新EVは、
AIが優秀なのでちゃんと開きます。
──うちの店と違って。」
メーカー社員、うなずくうなずく。
“ふとん店の不安定さで商品をアゲる”
完全に新ジャンルである。
観客A「このお姉さん面白い!」
観客B「商品がめっちゃ良く見える!」
メーカー社員「助かる……!」
◆ビジネスショーでも天下を取る
別の展示会。
BtoB向けの真面目なビジネスショーでさえ
麗奈の自虐アゲ芸は冴え渡る。
「こちらの業務用クラウドサービス!
大宮ふとん店の在庫管理に導入したいくらいです!」
観客「在庫管理してないの?」
麗奈「はい、タイムカプセルみたいになってます!」
クライアント「その正直さ、好き!!!」
気づけば麗奈は“商品を引き立てるMC”として
各企業から指名される人気者に。
◆人気コンパニオン投票、順位上昇
華やかな容姿に、
現場で鍛えた安定MC、
そして謎の家業・大宮ふとん店。
そのトリプルパンチがウケて、
今回の人気イベントコンパニオン投票では
前回よりも順位をひとつ上げた。
「え〜!?
みんな、大宮ふとん店の話しかしてないのに!?
ありがと〜!!」
本人は困惑しているが、
もはや“ふとん店は武器”である。
◆クライアントの評価
「ウチの商品の良さを一番引き出してくれた」
「大宮ふとん店との比較が絶妙」
「ブランドの親しみやすさが爆増した」
企業側の評価は軒並み高い。
いまや展示会のスタッフはこう囁く。
「麗奈さんにMCしてもらうと、
なんかウチの商品が“まとも”に見えるんだよね……」
大宮ふとん店の“カオス”が
あらゆる最新テクノロジーを輝かせる。
◆麗奈、頂点が見えてきた。
人気コンパニオン投票は混戦だ。
だが麗奈は今、
トップを射程圏内に捉えつつある。
しかも、
「来なくていいから〜!」
「うちの店と比べたらなんでも優秀です!」
このセリフだけで会場を掴むのだから、
勢いが桁違い。
月島小春が横で呟く。
「……麗奈って、もしかして……
ふとん店の広告塔としては天才なんじゃ?」
みのりは苦笑いしながら言う。
「いや、千葉の叡智から見ても……
あれは天才です。」
◆エピローグ
大宮麗奈は今日も言う。
「大宮ふとん店、来なくていいからー!!」
だが、
その言葉を聞くたびに
ファンはみんなニヤニヤしながら想う。
──そう言われると行きたくなるじゃん。
そして今日も上尾の商店街の外れで
値札ガチャが回っているのだった。




