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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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46/448

幻のふとん屋を追え!〜聖地巡礼(迷子多発)事件〜

今や戦隊ヒロイントークショーの定番となった伝説の締め――

月島小春の「みんなで大宮ふとん店に買い物行くぞー!!」

観客の「オーーーッ!!」

そして麗奈の「来なくていいから〜!!」


この三段オチが全国を駆け抜けた結果――

悲劇(という名の喜劇)が始まった。


麗奈の実家・大宮ふとん店は、上尾市の商店街の外れ。

いや、外れというより地図のバグ地帯。

Googleマップでもピンが空き地に刺さる。

SNSでは「#ふとん屋が見つからない」「#幻のふとん店」などのハッシュタグが乱立。


ファンたちは口々に語る。

「ナビ通り行ったら畑だった」

「住所で検索したら“該当なし”って出た」

「電話したら『おかけになった番号は現在使われておりません』だった」


実際、その電話番号――市内局番が2ケタ。

昭和の遺物である。

しかも看板の「大宮ふとん店」の“と”の字が消えかかっているため、

写真にはどう見ても「大宮ふ ん店」。

SNSには無数の写真がアップされ、コメントが並ぶ。


「“ふ ん店”て何屋?」

「まさか公序良俗に反する店じゃ…?」

「違う違う、戦隊ヒロインの実家!」

「本当に存在したの!?」


もはや都市伝説扱いである。


実際に訪れた勇者たちはこう報告する。

「営業日が読めない。昨日は開いてたが今日はシャッター」

「看板の下でおばあちゃんが猫にえさをやってた」

「店の中に入ったら“レジ壊れてるから計算お願いね”ってそろばん渡された」


麗奈はSNSで謝罪する羽目に。


「大宮ふとん店は観光地ではありません!!

営業時間も気分です!!」


だが、逆効果だった。

コメント欄は祭り状態。

「気分営業www」

「営業時間=神の思し召し」

「#行ってみたけど閉まってた選手権」


ついにはニュースサイトが取り上げた。


『戦隊ヒロインの実家・“消えかけのふとん店”に聖地巡礼者殺到』


取材を受けた麗奈父は語る。

「え? うち、そんな人気なん?」

祖母「今日も誰か来たけど、“ふとんより話が聞きたい”言うてたよ」


――この店、売るより語るほうが得意らしい。


数日後、月島小春のMCトークショー。

例の締めが来た。


「さあ! 最後は恒例! せーの!」

観客「みんなで大宮ふとん店に買い物行くぞー!!」

麗奈「もう来なくていいからーっ!! 本当に迷うからーっ!!」


だが観客は熱狂。

「ふ ん店行くぞー!!」

「座標不明の聖地へー!!」

「方位磁石持ってけー!!」


麗奈、頭を抱える。

みのりが微笑んで言う。

「千葉にはちゃんと営業してるふとん屋ありますよ」

小春「でも面白くないでしょ、それじゃ」


――結局その夜も、上尾の商店街の外れで電話が鳴った。

プルルル…プルルル…

祖母「はいはい、“大宮ふ ん店”です」

電話「お店はどこにありますか!?」

祖母「えーっとねぇ……わたしもよくわかんないのよねぇ」


ブチッ。


――そしてまた誰かがSNSに書き込む。


「聖地巡礼、失敗。

でも、店は確かに“存在しないわけじゃない”」


上尾の夜風にゆらぐ、色あせた看板。

「大宮ふ ん店」――その存在は今日も幻のまま。


疑惑は、ますます深まった。


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