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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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越中の雪解けとノムさんの慧眼 ――富山県高岡市のモールに現れた“原石Gカップ”

4月。

越中富山の春は、他の地域よりワンテンポ、いやツーテンポ遅れてやって来る。

桜はまだ本気を出していない。

人々の服装も、冬を名残惜しむように重たい。


その頃、氷見ゆりえは高岡市の県立高校に通う3年生だった。

放課後、友人二人と制服姿でショッピングモールへ。

それはどこの街にもある、ありふれた青春の一コマだった。


「腹減った〜。クレープ食べたい」

「また太るぞ〜、ゆりえ」


小柄で童顔。

富山の女子高生にありがちな、素朴で柔らかな雰囲気。

しかし、その胸元だけが、どうにも自然法則を無視していた。


本人は自覚ゼロ。

むしろ「肩こる〜」と文句を言う程度。

周囲は慣れてしまって、もはや誰もツッコまない。


だが――


この日、その“当たり前”を破壊する男がモールに来ていた。


その名は

野村吉彦(通称ノムさん)


芸能界の裏も表も、だいたい知り尽くした男。

元俳優、現・大手芸能プロダクション

「ブラックキャププロダクション」社長


彼の名は、グラビア業界ではほぼ“神話”。


“原石を見抜く男”

“胸部の可能性に人生を賭けた男”

“まだ誰も気付いていない“市場価値”を、見つけてしまう変態”


と、業界では半ば敬意、半ば困惑を込めて語られる。


実際、これまで彼が発掘して売り出したアイドルは、

写真集を出せば必ず重版。

DVDを出せば必ず1位。

本人は「別に胸だけじゃないんだよ」と言うが、

全員胸がでかいので説得力はない。


そんなノムさん、

この日は高岡の企業案件の打ち合わせの帰り。


「富山も良い子いっぱいいるんだよなぁ〜」


と、観光気分でモールをぶらぶらしていた。


そして、事件は起こる。


フードコート前。


制服姿で笑いながら歩く3人の女子高生。

その中の一人を見た瞬間――


ノムさんの**“センサー”が爆発**した。


「……待て」


一瞬、時が止まる。


小柄、童顔、無垢な笑顔。

しかし、胸元の布だけが限界突破している。


「……何だあれは」


彼の中の経験と統計と欲望が同時に叫ぶ。


“あれは……将来、確実に売れる。”


ノムさんは一瞬で確信した。

あの少女は、

ただの女子高生ではない。


“市場が欲しがる形状をしている。”


まるで宇宙が作った芸能兵器だ。


だが、声をかけようとしたその瞬間。


ゆりえ達は、

「スタバ行こ〜」とそのまま消えていった。


「くっ……!!」


追いかけるノムさん。

しかし、女子高生の機動力は高い。

そしてモールは広い。


視界から消失。


ノムさんは、そこで立ち尽くした。


「……やられた。

 あの子、絶対に掘り出す」


そこから、彼の執念が始まる。


・高岡市内の高校を総当たり

・制服の校章から学校を特定

・教師、PTA、モールの店員、果ては防犯カメラまでチェック

・地元のスカウト網を総動員


だが、富山は広い。

そして個人情報保護は堅い。


「名前が分からない……」


ノムさん、人生初の“発掘難航”


それでも諦めない。

なぜなら、

あれは“次の看板”になる存在だからだ。


「原石ってのはな、

 見つけたときが一番美しいんだ」


と、誰もいない社長室で一人つぶやく。


そしてこの頃、

本人である氷見ゆりえは、


「なんか変なおじさんがいたね」

「富山でもスカウト来るんだね〜」


と、まったく気にしていなかった。


こうして、


春の高岡モールで偶然すれ違った、

一人の敏腕社長と、一人の少女。


それは、


のちに全国をざわつかせる

“氷見ゆりえ伝説”の始まりだった。


まだこの時、

誰も知らない。


彼女が、

やがて“戦隊ヒロイン兼グラビアアイドル”として

歴史に名を刻むことを。


そして、


ノムさんの慧眼が、

また一人のスターを見つけてしまったということを。


越中富山の春は遅い。

だが、

スターの芽吹きは、突然だ。

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