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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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394/471

彼氏いるんですか?って聞いた瞬間、ヒロイン憲章が揺れた夜 ――秋田美人の暴露と、内定者の目が点になるまで――

夜。

 阿部柚葉の部屋。


 ソファに並んで座り、

 彩音はお茶を飲みながら、唐突に聞いた。


「ゆず姉、

 彼氏いるんですか?」


 柚葉は一瞬だけ間を置いて、

 あっさり言った。


「いないよ」


「……え?」


「でも、

 男友達は多いかな」


「えっ、いいんですか、それ!」


 彩音の目が丸くなる。


「いいよ。

 別に禁止されてないし」


「でも、戦隊ヒロインって……」


 柚葉は少し笑って言った。


「憲章にね、

 “青少年の夢を壊さないように”

 って書いてあるんだよ」


「……あ」


「だから、

 見せ方の問題かな」


 彩音は納得したようで、

 でも首をかしげた。


「じゃあ……

 戦隊ヒロインの中に、

 彼氏持ちっていないんですか?」


 その瞬間だった。


「……」


 柚葉の口が、

 止まらなかった。


「そういう話は、

 基本しないようにしてるよ」


「ですよね」


「写真週刊誌の記者とか、

 普通に居るし」


「ひえ……」


「変な噂立つと、

 本人だけじゃなくて

 現場全体が困るからね」


 彩音は真剣に聞いている。


「でもさ」


「はい?」


「麗奈さんとかは、

 もう大人だからなぁ……」


「え?」


「こないだも……」


「え?」


「……あ、これは言っちゃダメだった」


「ええええ!?」


 彩音の目がさらに大きくなる。


「あとね」


「ちょ、待ってください!」


「遥室長なんかは、

 隼人補佐官と……」


「ええええええ!?」


 彩音、完全にパニック。


「え、え、

 それ言っていいんですか!?」


「よくはない」


「じゃあなんで言うんですか!」


「彩音が聞くから」


「聞きましたけど!」


 柚葉は悪びれず続ける。


「美月さんとか彩香さんはね」


「はい……」


「男の方から

 逃げていくと思う」


「納得しかない……」


「ひかりとみのりは、

 二人でラブラブだし」


「それは平和ですね」


「小春は……

 こないだ別れたって言ってた」


「生々しい!」


 彩音は頭を抱えた。


「ゆず姉……

 戦隊ヒロイン、

 思ってたより人間味ありますね……」


「人間だからね」


 柚葉は静かに言った。


「でもさ」


「はい」


「大事なのは、

 そこじゃない」


 少しだけ、

 真面目な空気になる。


「“青少年の夢を壊さない”

 っていうのは」


「……」


「嘘をつくことじゃない」


「……」


「“自分の事情を

 前に出さない覚悟”かな」


 彩音は黙って聞いた。


「わからない人は、

 ヒロインじゃないと思う」


「……」


「こないだまで放送してた

 スーパー戦隊のヒロインの子、

 写真週刊誌が原因で降板したでしょ」


「……はい」


「才能とか努力とか、

 全部関係なくなる」


 柚葉は静かに続ける。


「だから、

 守るのは自分じゃなくて、

 “夢”なんだよ」


 彩音は、

 深く息を吸った。


「……私、

 軽く考えてました」


「最初はみんなそう」


「でも……

 ちゃんと知れてよかったです」


 柚葉は少しだけ笑った。


「彩音はね」


「はい」


「正直すぎるから、

 そのままヒロインになったら

 即炎上する」


「えええ!?」


「でも」


「……」


「それを抑えられるようになったら、

 すごく強い」


 彩音は拳を握った。


「私、

 夢、壊しません」


「うん」


「でも、

 聞きたいことは聞きます!」


「……ほどほどにね」


 二人は顔を見合わせて、

 笑った。


 こうして、

 少しだけ大人になった内定者と、

 暴露しすぎる秋田美人の夜は更けていった。


 なお翌日、

 彩音がヒロ室で

 誰にも聞かれていないのに

 「私は何も知りません!」

 と叫んだのは、

 また別の話である。

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